原点回帰で次戦必勝 もう一度「闘う姿勢」強調 開幕カード白星逃す ジェフ千葉 【プレーバック】

開幕戦を勝利で飾れなかった-。ジェフ千葉は25日、今季オープニングゲームで、昨季5位の山形に2-3で痛恨の逆転負け。2018年10月のリーグ戦での白星以来全く勝てていない“苦手”に対し、またしても苦汁をなめた。試合後の小林慶行監督は「自分たちが出したかったところが出しきれなかった」と渋い表情を浮かべた。初戦を終えた監督や選手の言葉とともに、2季ぶりとなるホームでの最初の対戦カードを振り返る。
システムは4-2-3-1。18日のちばぎんカップでベンチ外だった主将の鈴木大輔がセンターバックで先発出場。GKは新加入の藤田和輝、2ボランチには田口泰士=流通経大柏高出=と移籍組の横山暁之。2列目は中央に風間宏矢、右に田中和樹、左にはドゥドゥ、ワントップは新10番の小森飛絢が入った。
◆前への意識高く
降りしきる雨の中、山形ボールでキックオフ。滑りやすいピッチ状況を踏まえ、長いボールの応酬で攻守が激しく入れ替わる。GKからのビルドアップ(後方から組み立て)を得意とする山形に対し、ジェフも前めの守備位置を取って応戦。前への意識が高く、主導権争いを繰り広げた。
最初の好機をものにしたのはジェフだった。鈴木大のロングフィードに反応した田中が右サイドを深くえぐる。パスを受けた風間がゴール前へ低いクロス。相手はたまらずクリアし、ジェフが最初のCKを獲得した。
キッカーの田口がアウトスイングのボールをゴール前に入れる。鈴木大がジャンプ一番、落ちてくる球にドンピシャのタイミングで頭を合わせ、ニアポスト付近でワンバウンドしたボールが力強くネットを揺らした。
前半11分の先制劇。頼れる主将は「狙い通りみたいなところがあった。スペースを空けてくれたので、そこに入り込んだ。CKのボールも完璧だった。次は結果(勝利)に結び付けたい」と淡々と振り返った。
◆先制点がアダに
先制弾に沸き返るスタジアム。だが、勢いは続かなかった。前線からの守備は繰り返したものの、小林監督は「選手たちは、相手が裏のスペースを狙っているのを肌感覚で分かっていたので、なかなか思いきったプレッシャーをかけられなかった」と明かした。
「早々に点を取れたのは良かったが、勝ちたいとか、1-0を優位に運びたい気持ちとかがあって、ゲームが進んでいった」と監督。消極的な闘いが続き「本来出したかった部分が出しきれなかった」と悔しがった。
さらに指揮官を残念がらせたのが「奪ったボールが下がって(バックパスして)しまう回数が多かった」こと。「しっかりと反省し、フレッシュな状態をもう一度つくって、次戦でしっかりと闘う姿勢を出していきたい」と強調した。
◆パワー足りない
選手も同じ気持ちだ。鈴木大は「山形が嫌がる守備を出しながらカウンターを発動させられればよかった」と反省。同じチームにこれだけ負け続けている点には「勝負強さみたいなものを(山形に)持っていかれている」と受け止め、「1-0からでも2点目、3点目を取りに行くパワーを出さなければいけない」と理想を口にした。
新たなシーズンは逆転負けで黒星発進となった。昨季の序盤戦は勝ち星に見放されたジェフ。雑音に惑わされず、目の前の戦いに集中したい。主将は「一戦一戦だと思っている。次もホームでやれるので、そこに向けて全力で準備する」と表情を引き締めた。3月2日の藤枝戦。選手も、ホームのサポーターも勝利だけを望んでいる。