宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、都内で会見を開き、世界銀行上級防災専門官の諏訪理(まこと)さんと、日本赤十字社医療センター外科医の米田あゆさんの男女2人が宇宙飛行士候補者として内定したことを発表した。日本人女性の宇宙飛行士は向井千秋さん、山崎直子さんに次ぐ3人目。宇宙飛行士候補が選ばれたのは2009年9月に金井宣茂さんが選ばれて以来13年ぶり。試験には過去最多の4127人が応募した。
東京都生まれでJAXAの施設がある茨城・つくば市で育った諏訪さんは米ワシントン在住のため、オンラインで会見に出席。「24時間前に合格の連絡をもらって驚いたのと大きな責任を負うことになった感覚を持った。昨日は気持ちが高ぶってあんまり眠れませんでした」と話した。向井さんの伝記が志望のきっかけだという米田さんは「喜びと同時にびっくり。選んでいただき、責任が生まれ身が引き締まる思いです」と話した。
2人は今後、4月1日にJAXAに入社。基礎訓練を通じて必要となる科学・技術の知識、国際宇宙ステーション(ISS)内の日本棟「きぼう」や国際宇宙探査等に係る知識や技量を修得し、訓練結果を評価のうえJAXA宇宙飛行士に認定される。その後搭乗が決定すればISSでの活動をはじめ、月周回有人拠点「ゲートウェイ」や米国主導の月探査「アルテミス計画」などの様々なミッションへ参画することになる。