18歳高校生が“趣味と実益”兼ねて…暗号資産ヤミ商売で300万円荒稼ぎの動機と手口

18歳の男子高校生が趣味と実益を兼ね、未成年者などを相手に仮想通貨のヤミ売買を手がけていた。
無登録でスマートフォンのキャッシュレス決済アプリ「PayPay(ペイペイ)」の残高などと暗号資産(仮想通貨)「ライトコイン」を交換したとして、警視庁サイバー犯罪対策課は4日、資金決済法違反容疑で宮崎県都城市の私立高校3年生(18)を書類送検した。
男子高校生は昨年7~9月、「X」に「換金率9割」とうたい、ペイペイとライトコインを交換できるというメッセージを投稿。10代の高校生2人からライトコインを購入し、代金約6万円をペイペイで支払った。40歳代の女性会社員からはペイペイ残高2万5000円相当を受け取り、対価としてライトコインを売却していた。
「ライトコインは海外のオンラインカジノ『ステーク』で賭け金として使え、高校生は当初、カジノで遊ぶ資金欲しさにコインを購入していた。そのうちX上で暗号資産を売買して大儲けしている人物がいるのを知り、自身でペイペイとライトコインの交換業を始めるようになった。投稿を見た顧客たちと直接取引を行い、約1割の手数料を取り、一昨年以降、約300万円を荒稼ぎしていた」(捜査事情通)
ステークではライトコインの他にもビットコインやイーサ、ドージコインなどの暗号資産に対応している。暗号資産のアカウントを作成するには本人確認が必要で、未成年者は口座開設や購入することができず、海外のオンラインカジノで遊ぶことはできない。16~60歳の顧客30人のうち20人が10代で、本人確認が不要などの理由でヤミ売買を利用していた。客は高校生からライトコインを購入してオンラインカジノに興じ、儲かったらペイペイ決済で換金していた。
調べに対し、高校生は「オンラインカジノで遊ぶ金が欲しかった。授業中も客とやりとりしていた」と供述しているという。
■買い手もオンラインカジノ目的の未成年
「顧客と一切、面識はなく、すべてのやりとりをSNSのDMで行っていた。オンラインカジノを利用する未成年者が、何の手続きも本人確認もなく暗号資産を購入する手助けをしていた。あまりにも簡単に金が稼げるものだから、四六時中、スマホから手が離せなかったそうです。SNS上では暗号資産の交換を呼びかける無登録業者が増えており、マネーロンダリングにも悪用される恐れがあります」(捜査事情通)
成人年齢の引き下げにより、2022年4月から18歳以上なら暗号資産の購入が可能になった。このままでは暗号資産が犯罪に使われるケースが増えるかもしれない。