『正直不動産2』で話題のZ世代、“クセ者”に見えるが… 識者が明かすリアルな姿に驚き

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「定時なんで帰ります」「それじゃ、タムパ最悪っすよ」──。放送中のドラマ『正直不動産2』(NHK)に登場するZ世代の新入社員の言動が注目を集めている。
最近、ドラマで登場するZ世代は「クセ者」に描かれがちだが、リアルな姿はというと…。
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『正直不動産2』は、山下智久演じる嘘が付けない不動産営業マン・永瀬財地が、正直さを武器に客と向き合っていく物語。2022年に第1シーズンが放送され、今回は待望の第2シーズンとなる。
今作から、板垣瑞生(みずき)演じる新入社員・十影(とかげ)健人が登場。十影は給料や出世よりプライベートを重視する人物。
「タムパ(タイムパフォーマンス)」最優先で行動するため、先輩社員が仕事に追われる中でも定時退社したり、上司からの飲み会の誘いを「業務時間外」を理由にキッパリ断るといった言動を取り、周囲をハラハラさせている。

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十影に代表されるように、最近のドラマで描かれるZ世代は「クセ者」に描かれがち。ネット上では、「ドラマのZ世代の若者、本当に?と思ってしまう」「さすがに誇張しすぎだけどZ世代って確かにああいう感じ」「Z世代って本当に今までと考え方が違うところがあります」など、Z世代の若者に対する様々な意見があがっている。
実際のZ世代には、十影のような特徴が見受けられるのだろうか。日頃、大学での講演や高校の外部講師を務めるなど、Z世代の若者と接する機会が多い、SDGs products株式会社の代表取締役・中島寛之氏に話を聞いたところ、様々な事実が明らかになったのだ…。
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『正直不動産2』では、先輩達が仕事に奔走する中、十影が「じゃ、定時なんで」と言ってさっさと帰宅するシーンが印象的。Z世代にこうした傾向は見受けられるのか。
こちらの疑問に関して、中島氏からは「大いに感じます。他のメンバーが『仕事でここまでやります』と言っている傍から定時退社したり、納期がある中で業務が山積みで翌日に持ち越すことになっても、休日出勤してまでリカバーすることはありません」という回答が。
ひと昔前は、残業するのが当たり前という風潮があったが、コンプライアンスを遵守する昨今の社会情勢もあり、Z世代の間で”無理なく仕事する”スタイルが定着しているのかもしれない。仕事とプライベートをきっちり分けたいのか、上司や先輩との飲み会にも消極的なようだ。
中島氏は、「お酒を飲めないもしくは、別に飲まなくても良いと考える人が多いです。プライベートな時間を優先し、会社の会合などは基本的に面倒くさいと思っている印象です」と話す。
『正直不動産2』の十影は、こうした傾向を強調して描いた人物なのかもしれない。

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Z世代は、幼い頃からスマホに慣れ親しんで育ち、新しいSNSも駆使している。こうしたデジタルリテラシーの高さは、彼らの強みのようだ。
中島氏は、「SNSが身近でコミュニティに属すことに抵抗なく、特に同世代間の横の協調性は高いです。自分と違う価値観の人がいても否定せず、柔軟に受け入れる傾向があります」と説明する。
昨今、ビジネスシーンで「ダイバーシティ=多様性」が求められる傾向にある。こうした流れにも柔軟に対応できる能力を秘めているとは驚きである…。
『正直不動産2』は、当初は特異な言動から「モンスター」扱いされていた十影が、徐々に成長していくところも見どころの一つ。これから、社会に羽ばたくZ世代が活躍してくれることに期待したい。

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斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。旧ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
今期の推しは、『正直不動産2』(NHK)、『院内警察』(フジテレビ系)、『不適切にもほどがある!』(TBS系)。