農林水産省「絶対やめて!」 注意喚起に「絶句した」「広まってほしい」

私たちが日々口にしているご飯や食材は、全国の農家がさまざまな工夫を施し、生産しているもの。
新鮮でおいしい食材を多くの人に届けるべく、悪天候や害虫といった困難と闘いながら、田畑と向き合っています。
しかしそういった努力は、少数の人の迷惑な行動によって、踏みにじられてしまう可能性もあるのです。
2024年3月6日、農林水産省は各種SNSアカウントを更新。日本の農業を守るため、全国の人に向けた注意喚起を行いました。
その内容は、「ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の放飼はやめて」というもの。
1980年代に食用の貝として日本国内に輸入された、ジャンボタニシ。しかし、野生化したことで水稲栽培への食害が報告され、問題視されています。
※写真はイメージ
農林水産省は、SNSやウェブサイトを通して、このように呼びかけました。
発生を拡大させないため、除草目的の放飼は行わない。
≪防除のポイント≫
・一旦定着した本貝を根絶することは困難なこと、また周辺の水田にも影響が及ぶことから、本貝の除草目的での放飼は行わない。
農林水産省 ーより引用
また、ジャンボタニシは卵も危険なことで知られています。
かわいいピンク色で、一見フルーツのようにも見える、ジャンボタニシの卵。
しかし、PV2という神経毒が含まれることに加え、寄生虫が潜んでいる可能性もあり、素手で触れることすら危険とされているのです。
※写真はイメージ
繁殖力が高いため、一度ジャンボタニシが未発生地域に侵入してしまうと、根絶は困難に。またたく間に増殖し、生息範囲が広がってしまうといいます。
農林水産省は、たとえ除草が目的であっても、未発生地域やジャンボタニシの被害防止に取り組んでいる地域で放飼すると、農地への悪影響が生じることを警告しました。
ネット上では、『ジャンボタニシ農法』や『生きている除草剤』と称して、意図的にジャンボタニシを田んぼへ撒く投稿が議論に。
「近隣の農地に悪影響が出るのでは」「推奨されていない方法ではないか」といった批判の声が相次いでいました。
農林水産省による今回の注意喚起は、そういった騒動を受けてのものなのかもしれません。
実は知らない人も多い、ジャンボタニシとその卵の恐ろしさ。ネットからは、さまざまな声が上がっています。
・全国の農家が、どれだけ対策を頑張ってきたと思っているのか。絶対にやめてほしい。
・あえて放飼するだなんて、信じられない。この恐ろしさが広まってほしい。
・勝手に放飼をする人がいるだなんて、絶句した…。農林水産省が動いてくれてよかった。
長い年月をかけて、繁殖したジャンボタニシと闘ってきた、日本の農家。その闘いは現在も続いています。
私たちが安全でおいしい食材を口にすることができるのは、そういった努力のおかげということを、忘れずにいたいですね。
[文・構成/grape編集部]