財政厳しく… 加茂“ながいき川柳”23年の歴史に幕!? 「存続させたい」引き継ぎ申し出る人も【新潟】

ユーモアあふれる句が毎年話題となっていた新潟県加茂市の「ながいき川柳」。23年にわたり商店街を盛り上げてきたイベントが財政上の理由で終了することに…存続をかけた動きも見られる中、市長や商店街の人たちの思いを取材しました。

【桶屋美圭アナウンサー】
「加茂市の商店街で長く愛されてきた、ながいき川柳。この加茂市の風物詩が23年の歴史に幕を下ろすことになりました」

商店街の活性化を目指し、2001年から開催されてきた「ながいき川柳」。

この催しは、毎年春と秋の年に2回、加茂市商店街協同組合が川柳を公募し、JR加茂駅から約1kmにわたる通称「ながいきロード」に掲示するものです。

【加茂市商店街協同組合 田邊良夫 理事長】
「『何でやめるんですか』という苦情も来ているし、遠くは九州・北海道から来たこともある」

県の内外から親しまれ、23年間で2万以上の独創的な作品が集まった、ながいき川柳。しかし…

【加茂市 藤田明美 市長】
「非常に加茂市の財政状況が厳しいというところで補助金のカットをした経緯から、ながいき川柳がなくなるというところにつながっていて心苦しい思いはある」

加茂市が来年度、商店街の実施するイベントへの補助金の大幅な削減を決定。

チラシの制作や年間800句ほどの川柳を書くための短冊代などに毎年約300万円の費用がかかっていた「ながいき川柳」は、商店街の予算と市の補助金で開催してきましたが、補助金なしでの実施は難しく、23年の歴史に幕を下ろすことになりました。

【加茂市商店街協同組合 田邊良夫 理事長】
「やりたい気持ちはあるけど、どこかでけじめをつけないと」

商店街のにぎわいづくりに大きく貢献してきたイベントだけに、寂しさものぞかせた田邊理事長。

そんな「大切な催しを存続させたい!」と名乗り出たのが…

【本量寺 大森舜晃 住職】
「本量寺の三号がある。それが長寿山。長生きとつながる」

加茂市にある本量寺。山号の「長寿」と「ながいき川柳」の縁を感じ、田邊理事長に引き継ぎを申し出たと言います。

【本量寺 大森舜晃 住職】
「本量寺に任せてもらえるなら、前にやっていた春・秋の表彰を踏襲したいというのはある」

どのように引き継がれていくかは未定で、寄せられたユーモアあふれる句の数々を商店街に展示する「ながいき川柳」は一旦、その幕を下ろすことに。

【加茂市 藤田明美 市長】
「書いて見に行くという方もいるが、ご家族が書いたものを見に行きたいと、自然と商店街に人が集まる仕組みになっていたのかなと思う。非常に味わい深い句がこれまでたくさんあった」

そんな、ながいき川柳に思いを馳せて藤田市長に一句詠んでもらいました。

【加茂市 藤田明美 市長】
「加茂のまち 変わらぬ愛に 笑顔咲く」

加茂市の花・雪椿の花言葉「変わらぬ愛」を入れて地域への思いを詠み上げた藤田市長。

再び川柳で街に笑顔を増やすことはできるのか…ながいき川柳の行方に注目です。

【桶屋美圭アナウンサー】
商店街には大人だけでなく市内の中学生が考えた川柳も掲示されていて、それぞれの世代の感性を感じられる催しとなっていました。

長く地域で親しまれてきた分、新たな形で存続されるかもしれないというのは楽しみです。