「午前中で売り切れも」コメダが運営するパン屋で人気 高校生の試行錯誤が生んだパン

【うるま】「コメダ珈琲店」のコメダが運営するパン屋「石窯パン工房ADEMOK(アデモック)」うるま店が、中部農林高校の生徒が開発した山芋あんを使用したパンを1月中旬から販売している。同校卒業生の饒辺麻偉斗店長(30)が学校に提案して商品化が実現したもので「午前中で売り切れることもある」という人気商品になっている。(中部報道部・仲村時宇ラ)
商品は山芋のあんを練り込んで焼いた「やまんぱん」(180円)と、パイ生地で包んだ「やまんパイ」(160円)の2種類。山芋のあんは粘りがある食感と、さっぱりとした後味の良さが特徴だ。
開発したのは同校食品科学科2年の松林聖和さん(16)、比嘉菜海さん(17)、具志堅菖さん(17)、平山佳乃莉さん(17)、奥田心優さん(16)でつくる「山芋パンプロジェクトチーム」。
生徒らは通常の調理法では山芋の皮が利用されず、収穫時重量の2~3割が廃棄されていることに着目。1年生の頃から皮を丸ごと使った調理法の開発を模索しており、山芋あんもその過程で生まれた。
当初は「パサパサしている」と不評だったという山芋あん。試行錯誤の結果、収穫直後の新鮮な山芋をペースト状にしてあんにすることで食感や食味が改善できることが分かり、商品化できる仕上がりになった。
皮まで使うことで、含まれるポリフェノールが100グラム当たり250ミリグラムとコーヒーや赤ワインなどと同等程度まで上がり、栄養面でもプラスになったという。
現在は学校で生徒らが加工した山芋あんを、同店に1キロ900円で販売中。山芋農家の支援や消費拡大につなげるため、山芋の販売価格を1キロ約250円、その他の材料や加工費を含めた山芋あんの原価を1キロ550円として、十分な利益が出る価格を設定した。
具志堅さんは「実際に買って食べた友達からおいしかったと言われ、うれしかった。みんなにも食べてもらいたい」と話した。
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山芋あんを開発した中部農林高校の生徒ら=13日、うるま市安慶名のADEMOK(アデモック)うるま店