2月23日(金)にJリーグが開幕を迎えました。グランパスのサポートソングを歌う「Qaijff」(クアイフ)の森 彩乃さん(36)は、去年乳がんの診断を受けました。闘病生活とことしのテーマソングに込めた思いを取材しました。
(クアイフ・森 彩乃さん)「大前提に人って弱い面もあると思うんですよ。私は今回病気になって『強くなりたい』と思うタイミングがたくさんあって」
名古屋を拠点に活動するQaijff(クアイフ)。ボーカルの森 彩乃さんとベースの内田旭彦さん(35)の2人組バンドです。
乳がん闘病中に制作した楽曲「誇れ」 次は私がグランパスに恩返…の画像はこちら >>
2016年から、グランパスの公式サポートソングを担当しています。2月23日(金)に明治安田J1リーグの開幕戦で、ことしのサポートソングを初披露しました。
(森さん)「すみません。手術後のアレで(荷物が運べない)」(内田さん)「手術関係ないでしょ(笑)」
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(森さん)「関係あるって!(笑)関係あるってさすがに!今までは自分でやれるものはやっていたけど、今は重いもん持ったらダメだから。傷が」
約1年前、ボーカルの森さんを悲劇が襲いました。
(森さん)「この髪もね、もうすぐ抜けると思うと『ぴよん』と跳ねてしまっている、このもみ上げさえも愛おしいですね」
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森さんは去年3月に「乳がんのステージ2」と診断され、翌月に公表。すると、森さんの治療を後押しするため、グランパスはサプライズで横断幕を掲げました。5月からは、半年間に及ぶ抗がん剤治療が始まりました。
8月、治療開始後初めてライブを披露。その後、かねてから交際していたクアイフの2人は事実婚を発表しました。
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(内田さん・去年11月)「『僕がいるから大丈夫です』って言えるようになったのは、気をかけてくれた方に対してもはっきり言えるのはいいなって思います」(森さん)「不安な気持ちは全部吐き出すし、聞いてくれるし、ポジティブな言葉をくれたりとか。内田の存在は相当でかいですね。ありがとう!!」
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森さんは、半年間の抗がん剤治療を終え…
(森さん)「検査結果を聞いたら、(がん細胞は)ほとんど画像上は見えなくなっていたって聞いて(右胸の)全摘じゃないというプランも浮上してきたんですよ。『本当に命を最優先するなら全摘が良いと思う』と(医師から)言われたんですね」
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11月、森さんは悩んだ末に右胸と脇のリンパの全摘手術を受けました。摘出した組織には一部がん細胞が残っていたため、この選択は正しかったと振り返りました。
(森さん・ことし1月)「画像は100%じゃないと身をもって実感しましたね。結果的に全部取って良かったんですけど。術後2日目に自分の傷をふと見た時に、急にバーッと泣けてきちゃって。この涙は必要な涙だろうなと思って」
森さんはことし1月から乳がんの再発を防ぐため、抗がん剤治療を再開しました。闘病と並行して、グランパスのサポートソング作りです。
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(森さん)「横断幕を掲げてもらって、もらったエールを返したい。音楽に込めて」その思いが楽曲へのこだわりを深めました。
(内田さん)「ハーフのリズムで」(森さん)「(去年のテーマソング)『たぎってしかたないわ』もそうじゃんね。2番のAメロ」(内田さん)「あれ、2Aだっけ?」(森さん)「うん、だからやりたくない…」
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そして、迎えた2月23日。(森さん)「はぁ~~」(スタッフ)「溜息ですか?」(森さん)「なんか緊張!(笑)」森さんが乳がんと診断されてから、約1年が経過しました。
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(森さん)「個人的に病気になって手術を受けて、体の一部を失ったけど自分自身変わったこともあるけど変わらない自分という存在がいて、そんな自分を誇っていきたいな。本当に言い出したら切りがないんですけど…自分自身の個人的な気持ちとグランパスと絡み合った気持ちを全部欲張って詰め込めたって思っています」
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「強くなりたいという気持ちって大前提に人って弱い面もあると思うんですよ。今回病気になって『強くなりたい』って思うタイミングがたくさんあって。グランパスの選手たちは自分のために強くなりたいじゃないですか。勝ちたいし活躍したいしという自分の気持ちもあるんだけど、応援してくれているみなさんのためにも勝ちたいと思うだろうし、自然とグランパスとリンクして自分が病気になって感じる気持ちが歌詞に込められたなと思っています」
思いを込めた作曲した「誇れ」。
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(森さん)「想像以上に本番は、熱がこもり過ぎちゃいました!」
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ことしの秋まで乳がん闘病を続ける森さん。グランパスから受けたエールを力に変えて…今度は「Qaijff」がグランパスへエールを送ります。
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