<印西貯水槽遺体>被告に懲役30年求刑 「口封じのための組織的犯行」 弁護側は無罪主張 千葉地裁で論告求刑公判

印西市の防火貯水槽内で2020年10月、左足首が切断された男性の遺体が見つかった事件で、殺人と死体損壊・遺棄などの罪に問われた住所不定、指定暴力団住吉会系組幹部、森義明被告(65)の裁判員裁判論告求刑公判が27日、千葉地裁(福家康史裁判長)であり、検察側は「実行役に指示し、全体の流れをつくった首謀者。責任は重い」として懲役30年を求刑した。弁護側は無罪を主張し、結審した。判決は3月10日。
論告で検察側は「暴力団幹部が口封じのために行った組織的犯行。動機は身勝手で悪質」と指摘。弁護側は「実行役の単独的犯行。共謀した証拠は実行役の供述しかなく、実行役は刑を軽くするためにうそをついている」と主張した。
起訴状などによると、仲間と共謀し20年10月18日、千葉市花見川区の駐車場に止めた車の中で、成田市の会社員、宮内孝介さん=当時(46)=の首などを刃物で複数回突き刺すなどして殺害。同月21日に八千代市の空き地に止めた車の中で左足首を切断し、遺体を印西市の防火貯水槽内などに遺棄したとされる。