長年親しまれた新潟市のスーパーが、大手の小売業者に3月1日吸収合併されました。業界の競争が激化する中、『値上げの春』が事業者と消費者に追い打ちをかけています。
【記者リポート】
「”しみふ”の愛称で親しまれてきた清水フードセンター。その横には、すでにイオンのマークも並んでいますが、1日から新たな一歩を踏み出しました!」
1日、新潟市中央区のスーパー清水フードセンターで行われたのは、小売業の大手イオンリテールへの入社式です。
1957年から営業を続けてきた清水フードセンターは、運営会社が2015年にイオンリテールの子会社となり、1日吸収合併されました。
【イオンリテール 北陸信越カンパニー 室井英男 支社長】
「地域に合わせた味とともに、イオンリテールの店舗網の拡大によるもっともっと製造数の拡大を、及び効率化を、図れるというふうに考えております」
今後も『清水フードセンター』の名称は残り、人気の自社製造の総菜も販売は続きますが…
【買い物客】
「ちょっと残念ですかね。いろんな物を買えたらいい」
寂しさを感じる市民がいる中で、吸収合併に踏み切った背景には、小売業間での競争の激化があります。
さらに…
【イオンリテール 北陸信越カンパニー 室井英男 支社長】
「いままで当たり前につけていた電気も、ちょっと工夫したりしながら、いかに商品価格に転嫁しないようにしていくか、努力はし続けているつもり」
事業者に押し寄せる資材や燃料高騰の波。一方、その影響は消費者にも波及していて、3月は3000品目を超える食品が値上げされる見通しです。
【記者リポート】
「3月からは、菓子類の値上げが最も多くなると言われていますが、こちらに並んでいるものは、ほとんどが二桁台の値段です。その秘密は”プライベートブランド”です」
【イオンリテール 北陸信越カンパニー 本間由布子 さん】
「約5000品目ある中で、数品目値上げしたものもあるんですが、ほかのものは価格の維持をしております」
子会社となった後、清水フードセンターでも取り扱ってきたイオンリテールのプライベートブランド。商品を自社開発・製造し、全国の販売網を生かして利益を出すことで、原価が上がっても価格を安定させることができるといいます。
【買い物客】
「総菜とか。これもそう、かりんとう。助かります」
【イオンリテール 北陸信越カンパニー 本間由布子 さん】
「電気代とか、どうしても使わなきゃいけない部分で上がっているところがあると思いますので、日用品などは少しでもお安いものを買っていただきたいと思います」
厳しい局面にある事業者と消費者。互いに工夫が重要となる『値上げの春』を迎えています。