4月は2016年に発生した熊本地震から8年を迎えます。実はこの熊本地震のあと防災の観点から“消えたもの”があります。
それは、気象庁の呼びかけの「余震」という表現なんです。
熊本地震では最初にマグニチュード6.5、最大震度7の揺れが襲いました。
気象庁は余震への注意を呼びかけていたのですが、その28時間後にはマグニチュード7.3と最初より大きな揺れが発生。
結果的に、この2回目の揺れが「本震」だったのです。
これを受けて、政府は大きな揺れのあとに小さな揺れ・余震が来ることを前提とした評価方法を見直し、地震の発生直後は最初と「同程度の地震」への注意を呼びかけることを基本としました。
防災上の呼びかけで「余震」という表現は使われなくなったのです。実際に今年1月の能登半島地震でも大きな揺れが度々発生しています。
能登半島地震では午後4時6分に最大震度5弱の揺れを観測しましたが、その4分後に最大震度7の揺れが襲い、大きな被害につながりました。
また、そこから1週間の間に最大震度5強以上の揺れが9回発生し、多くの人が不安な日々を過ごしました。
こうしたことから大きな揺れが発生した時は、その後、1週間程度は同じくらいか、それ以上の揺れが起きる恐れがあると注意すること。
また、最初の揺れで家屋の倒壊や土砂災害などの危険性も高まっている恐れがあります。危険な場所には立ち入らないなど身の安全を守る行動を心がけてください。
4月3日の台湾地震では日本でも一時津波警報が発令されました。もう強い揺れが起きないとは決して思わず、常に防災の意識を持つことが大切です。