若者のSNS依存とうつ発症率が比例 「スマホが人類に与える悪影響」に専門家が警鐘

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スマートフォンの普及率に伴い、SNSの利用者が一気に増加した。日本でも所持者の8割が、何らかのSNSをよく利用・閲覧しているそうだ。だがその現象は、問題点を複数はらんでいるという。アメリカの『People』が報じた。

「スマートフォンが世間に浸透し、SNSが普及し始めた頃から、うつ病や不安症状を訴える患者が急増しました」と語るのは、ニューヨーク大学で社会心理学を教えるジョナサン・ハイトさんだ。
若者はSNSを常にチェックし、無意識に自身と他人を比べたり、加工した写真と実際の自分に強いショックを受ける。「SNSだけが原因とは言わない」とするものの、ガラケー(ガラパゴス携帯)がスマートフォンに切り替わってから、多くの国で十代の自傷行為や自殺率が約2倍に増えたという。

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子供たちは、幼い頃にはおもちゃを手に友達と存分に遊び、脳を発達させ、想像力を豊かにしておくことが望まれる。友人やきょうだいとの喧嘩でさえ、将来的なネゴシエーション能力につながるといえるだろう。
ところが、スマートフォンやタブレットを手にすることで睡眠と運動が減り、気力や体力を失い、友達と遊ぶことも少なくなるため、コミュニケーション能力も低下する。
また、自尊心や幸福感を覚える機会や誰かと笑い合ったりする機会が減ると、うつや不安症状を発症しやすくなるそうだ。

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会話の手段がチャットアプリやダイレクトメッセージばかりになり、なかには絵文字で済ませるという人もいる。たとえ笑顔の絵文字でも本物のそれには敵わないはずだが、これでは人と人との「絆」の大切さを見失いがちになるそうだ。
さらに相手からすぐに返事がないと不安になったり、悪気のない文章に冷淡さを感じてしまう人も。これらもストレスの原因となることを、しっかりと自覚する必要があるようだ。
ジョナサンさんはこれらの事態を、「まるで殺人事件のよう。私たちの誰もが容疑者みたいなものでしょう」と表現する。

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ジョナサンさんは政府に対し、SNSの利用年齢を16歳に引き上げることや、学校での携帯電話の使用を禁止することを訴えている。
保護者に対しては、「子供たちが少なくとも中学生になるまで、インターネットに24時間365日アクセスできないようにするべきです」「無理にスマートフォンを取り上げるのではなく、まずは友人と直接的な関係を持たせてください」とした。
そして中学生ならガラケーでも十分とも考えており、「子供たちにはもっと価値があります。遅すぎることはありません」と呼びかけている。