42年目のTDLで春の主役ドナルドが歴史的“仕掛け”…知る人ぞ知るピート初登場

東京ディズニーリゾート(TDR、千葉・浦安市)が15日、42回目の開園記念日を迎える。昨年度の40周年記念“ドリームゴーラウンド”は3月31日に閉幕し、東京ディズニーランド(TDL)では今月9日から春のスペシャルイベント「ドナルドのクワッキー・ダックシティ」が開幕した。ドナルドダックが主役のパレードでは、ミッキーマウスよりも先輩の“忘れられたディズニーキャラ”ヤマネコのピートがTDRに初登場している。
42年目のTDLで春の主役になったドナルドが、歴史的な“仕掛け”を用意していた。新パレード「クワッキーセレブレーション★ドナルド・ザ・レジェンド!」は、ミッキー&ミニーマウス、デイジーダックらが、青・白・黄色のドナルドカラーの衣装を着て6台のフロート(山車)に乗って登場。ドナルドがスーパースターになる“ダックシティ”を盛り上げる。
その中にピートがいた。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの初期から活躍するミッキーの“天敵”のヤマネコが、ついにTDRに初登場だ。「知る人ぞ知るスーパースター、ピート様」と紹介された巨漢は「みんな、俺様に会いたくてしょうがないんだ」と“番長キャラ”をアピール。ディズニーの仲間たちは「今日はピートの友達になる会」とおだてるのだった。
ミッキーがデビューした映画「蒸気船ウィリー」(1928年11月18日公開)では、意地悪な船長役として登場しているピート。映画初登場は「アリス・コメディ」シリーズ(25年)というから、ミッキーの3年先輩になる。“忘れられたキャラ”としては、ちょうど10年前の14年4月に東京ディズニーシー(TDS)に、しあわせウサギのオズワルドが初登場し、オールドマニアを喜ばせたことがあったが、この「オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット」(27年)にもピートは出演しているというから、まさに“ラスボス”だ。
米国のディズニーランド・パーク(アナハイム)では、昨年3月からトゥーンタウンのグリーティングにピートが登場している。TDRを運営するオリエンタルランド(OLC)によると「TDLのトゥーンタウンには、以前からアトラクションの窓にピートのイラストが描かれています」という。今回の「ドナルドのクワッキー・ダックシティ」は6月30日までの期間限定イベント。今後については「今のところ発表できるものはありません」(OLC)。
気になったのは、パレードでミッキーとの絡みがなかったこと。フロートは先頭がミッキーで、ピートは最後尾だった。TDRに初めてミッキーの“天敵”が登場したのは、ドナルドの世界観(夢)ならではのことなのかもしれない。(酒井 隆之)