〈福島原発事故避難者訴訟〉東電へ1人当たり15万円~60万円の賠償命令 国の責任は認めず【新潟】

福島第一原発事故による避難者が国と東京電力に損害賠償を求めている裁判の控訴審判決で東京高裁は一審に続き、東京電力に原告の一部への賠償を命じた一方、国の責任は認めませんでした。

福島第一原発事故により新潟県内に避難した人たちが国や東京電力に対し、損害賠償を求めた裁判。

一審の新潟地裁では、東京電力の責任を認めた上で、原告801人のうち自主避難者を含む636人に合わせて1億8300万円の支払いを命じた一方、「大津波を事前に予見できる可能性は低いか、一定程度にとどまる」などとして国の責任を認めませんでした。

【遠藤達雄 弁護団長】
「結果として、(国の)責任を否定したこの件は極めて不当」

この判決を不服として原告と東京電力が共に控訴。

原告789人のうち避難指示区域内の155人は今年1月に和解が成立していて、4月19日は避難指示区域外の634人に対する控訴審の判決が言い渡されました。

東京高裁は、福島第一原発事故により原告は避難を余儀なくされたと認められるとして、東京電力に対し、原告の一部への損害の賠償を命じました。

ただ、原告側は一審判決で示された賠償額に1人当たり300万円を上乗せするよう求めていましたが、賠償額は1人当たり15万円~60万円にとどまっています。

また、東日本大震災は想定されていた地震よりもはるかに規模が大きく、震災以前の試算をもとに国が東京電力に津波対策を指示していれば事故を防げたとは言えないなどとして、一審の新潟地裁に続き、国の責任は認めませんでした。