那覇市と民間人女性が所有権を争った市有地を巡り、同市議会議長の久高友弘氏(74)=自民公認、当選10回=が交渉取りまとめの費用として、不動産会社から現金計5千万円を女性の後見人と連名で受け取った疑いがあることが1日、沖縄タイムスの取材で分かった。不動産会社代表の男性(72)は「女性に所有権が移れば買い取る約束だった。議長の影響力に期待し、議長室で現金を渡した」と証言し、久高氏は現金の受領を認めた。だが「金は後見人の物であり、自分は持っていない」と所持を否定。政治資金収支報告書への記載や、確定申告もしていないと答えた。会社代表の主張に沿うような追及を市議会で繰り返したが、「議員の職務としてやった」と見返りを否定した。(社会部・城間陽介、矢野悠希)
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会社代表によると5千万円の現金授受があったのは2021年2月8日午後、場所は議長室。本紙が入手した同日付の領収書には金額と「土地売買取りまとめに関る費用として」(原文ママ)とただし書きがあり、久高氏と後見人の署名と押印がある。また久高氏は20年12月18日にも、議長室で会社代表から現金500万円を1人で領収書にサインし受領した。
領収書上は2回で計5500万円の受領となっているが、会社代表は「議長から要求された額は5千万円で1回目の500万円は内金。2回目に残金4500万円のところを誤って多く渡した。後で返金してもらった」と説明。久高氏は「要求はしていない。会社代表が勝手に持ってきた」と反論する。
■市議会で何度も質問
久高氏は、市と所有権争いを繰り広げてきた民間人女性と後見人を支援する立場で活動。所有権回復に関する交渉を後見人から依頼され、市との交渉や追及を任されている。04年ごろから市議会でこの土地について何度も質問してきた。
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■久高氏「金は後見人が持っている」
会社代表によると、仮に市が不備を認めて民間人女性の土地となり、名義変更が実現した場合、会社代表に売り渡す約束の文書を久高氏側と交わしていたと説明。「土地は100億円で買う予定だったが全く事態の進展が見られない。結果的に金をだまし取られている」と訴える。
久高氏は本紙の取材に「受け取った金は自分は持っていない。後見人が持っていて、返そうとしている」などと述べた。
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