「振り返った瞬間に木が倒れてきた」 桜の倒木で大けが 危険な街路樹を見分けるには? 専門家に聞いた2つのポイント

(若狭敬一キャスター)京都市で起きた倒木事故は、遠足中の突然の出来事でした。状況をもう一度整理しましょう。
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(山内彩加アナウンサー)今回、倒れた桜は「しだれ桜」でした。樹齢は100年以上でしたが、きちんと葉をつけていたそうです。高さ約9メートル、直径は約40センチ。このしだれ桜が根元から倒れて石畳の道をふさぎ、現場は騒然となりました。現場は産寧坂(さんねいざか)と呼ばれる場所で、清水寺まで約200メートルの場所。飲食店や土産物店が立ち並ぶ、京都を代表するスポットです。(若狭キャスター)そうですね。世界中から多くの観光客が詰めかけるところということで、タイミングによっては複数の人が下敷きになって、さらに多くのけが人が出ていた可能性もありますよね。
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(山内アナウンサー)今回下敷きになってしまった被害者は、遠足で引率中の三重高校の男性教諭(62)でした。23日午前11時45分ごろ、高さ約9メートルのしだれ桜の下敷きになり、鎖骨など数か所を骨折し全治数か月の重傷を負いました。その男性によると「産寧坂をのぼっていたらボキボキという音がして、振り返った瞬間に木が倒れてきた」ということです。男性は病院に搬送されましたが、命に別状はないということです。(若狭キャスター)これは本当にびっくりする怖い出来事なんですが、原因は調査中ということです。大石さん、桜の木の根がポイントだという指摘もありますね。(大石邦彦アンカーマン)そうですね。街路樹は名古屋にも約10万本あって、年間に10本近く倒れているということなんですけれども、この街路樹のどこを見れば危険が分かるのかということで、日本樹木医会の板倉賢一 愛知県支部長に聞きました。
(大石アンカーマン)ポイントは2つあるということで、まず1つ目、「傾いている木」には要注意ということです。傾いても根がはっていれば危険性は少ないですが、この「傾き」を支える、根のはり方には広葉樹と針葉樹で違いがあることをご存じでしょうか。
桜など広葉樹の場合
桜などの広葉樹は、傾いている側とは反対側の根が、傾きを支えようとします。富士山のすそ野のようにしっかり張っていれば危険性は少ないですが、根が伸びていなかったり、もろくなっている場合があるということなんです。倒れている方向と反対の根をしっかり見てみましょう。一方、杉やイチョウなどの針葉樹は、倒れている方向の根がつっかえ棒になるような形で支えているということです。
いずれにしても、幹や根がしっかりはっているか、周りがコンクリートで囲まれて行き場を失っていないかなどを見るのがポイントです。今回のしだれ桜も根が行き場を失っていた可能性が高いということです。
そして、もう1つのポイントはキノコが生えている木です。木が古くなってくれば、枯れた枝などにキノコが生えることはときどきあるということですが、危ないのは「幹と根の間に生えるキノコ」です。これは幹の中が腐っている可能性があって、根元のキノコというのは木が倒れるシグナルの可能性があると。そんな街路樹を見かけたら、自治体に伝えてほしいと板倉さんは仰っていました。
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(若狭キャスター)普段歩いていて常にヘルメットを被るわけにもいかず、管理者側にきちんと管理してもらって、こうした倒木の事故を少なくしたいですよね。
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(大石アンカーマン)おととしの8月に、名古屋の大津通りでも街路樹が倒れて車を直撃する事故がありました。倒れた木の中はスカスカの状態でした。
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そして去年7月には中区の公園にあった木が倒れました。その時に根を見たら、しっかり張っていなかったのではないかと思われました。
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こうした倒木は街中だけではなくてキャンプ場でも起きているんです。去年4月、神奈川県の相模原市にあるキャンプ場で木が倒れて、テントの中にいた女性が死亡するという事故も起きているんです。ゴールデンウィークが迫っていますから、街中でなければ安全だということはありませんので、木をしっかりと見てほしいと思います。(若狭キャスター)そうですね。私たちがチェックするべきところはしっかりチェックし、やはり管理する側、所有する側には徹底して木の管理をしてほしいと思います。