カレーの前日調理は避けて! 医療局の注意喚起に「知らなかった」「気をつけます」

日々食事をする上で目を背けることができないのが、食中毒問題。
食中毒になると、発熱や下痢の症状などを起こし、健康が損なわれてしまいますよね。
医療提供体制の整備などを業務とする、東京都保健医療局は、食品の安全に関するさまざまな情報をウェブサイトで公開しています。
ウェブサイトの『東京都食品安全FAQ』というページには、過去に消費者から寄せられたこんな質問が掲載されていました。
「2日目のカレーが好きなのですが、食中毒の危険があると聞きました。本当ですか?」
カレーは一度に大量に作ることが一般的なため、つい数日にわたって食べてしまうもの。ひと晩寝かせたカレーは味に深みが出て、よりおいしさを感じることでしょう。
しかし、食中毒への不安を感じる人も一定数いるようです。
そんな不安に対し、東京都保健医療局は、食中毒の危険があることは認めつつ「きちんと対策すれば心配ない」と回答しています。
ひと晩寝かせたカレーに食中毒のリスクがある原因は、ウェルシュ菌。もともと、動物の腸管内や自然界に広く存在している細菌です。
ウェルシュ菌による食中毒は、カレーのほかにシチューや肉じゃがなど、大鍋で作った料理が原因となることが多いといわれています。
長時間煮込む料理では、食中毒菌が死んでいそうなもの。しかし、ウェルシュ菌は、加熱調理後も『芽胞』という殻を作って生き残る性質を持っています。
そのため、カレーを調理した後に常温で保管している間、芽胞として生き残ったウェルシュ菌が、温度が下がり増殖しやすい温度になった食品の中で、活発に増えてしまうのだそうです。
東京都保健医療局は、そんな『ウェルシュ菌による食中毒を予防する策』について、次のように解説しています。
ウェルシュ菌食中毒はこうやって予防!
1.ウェルシュ菌を増やさない。
ウェルシュ菌を増やさないよう、前日調理は避ける。加熱調理後はなるべく早く食べましょう。
やむを得ず、調理後保存する場合は、食品がウェルシュ菌の増殖しやすい温度帯(12~50℃。特に43~45℃で活発)にある時間を短くしましょう。例えば、小さな容器に小分けするなどして、なるべく早く冷蔵庫に入れましょう。
2.増えたかもしれないウェルシュ菌を殺して減らす。
ウェルシュ菌は、加熱後温度が下がった食品中では、通常、芽胞ではなく熱に弱い栄養体で生存しています。このため、加熱調理で菌の数を減らすことができます。菌の数が少なくなれば、食中毒のリスクも低くなります。
一度保存したカレーなどを食べる前には、殺菌のため、グツグツするまで再加熱しましょう。また、全体に熱がいきわたるよう、よくかき混ぜながら加熱しましょう。
東京都保健医療局 ーより引用
ウェルシュ菌を増やさないためには、前日調理を避け、加熱した後はできるだけ早く食べるとよいそうです。
やむを得ず、調理後に一度保存する場合でも、ウェルシュ菌が増殖しやすい温度帯の時間を短縮することで、数を減らせるのだといいます。
ゼロにすることはできなくとも、数を減らせれば、食中毒のリスクも低くなるのだとか。
ウェルシュ菌の存在を初めて知った人は多いようで、ネット上では「なるほど!知らなかった」「気を付けます」などの声が上がっています。
カレーはアレンジの幅が広く、季節を問わずおいしく食べられます。
だからこそ、ウェルシュ菌をなるべく減らすための予防策を正しく知り、年中安全に食べたいものですね。
[文・構成/grape編集部]