飲酒運転の罪が取り消された男性 ある「特異体質」が認められ…

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ある男性が飲酒運転の罪で起訴されたが、非常に珍しい症状を抱えていることから無罪となった。『AFP』や『NY Post』が伝えている。

ベルギー人の男性(40)は、2022年4月に二度にわたり警察に車を止められた。その際、呼気検査で基準値を超えるアルコールが検出されたことから、飲酒運転の罪で起訴されていた。
しかし、判決は無罪に。その理由は、体内で自然にアルコールを生成する「自家醸造症候群」という病気にかかっていたからだった。

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「自家醸造症候群」かつ別名「腸発酵症候群」は、腸内の真菌の過剰増殖により、炭水化物や糖分がアルコールに変わる希少な病気だ。
日本では「酩酊症」とも呼ばれ、世界で20人しか診断されていないが、実際にはもっと多くの人が発症していると医師らは見ている。
この病気により胃が発酵すると、血中のエタノール濃度が上がり、酔った症状が出る。腸内発酵などの消化器系内に棲む寄生酵母によって、急性アルコール中毒を引き起こし得る量のエタノールを生成してしまうのだという。

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男性を弁護したアンセ・ゲスキエールさんによると、3人の医師が男性に自家醸造症候群の症状があると証明し、裁判所が認めて無罪とした。現在、弁護士と男性は正式な無罪通知を待っているという。
男性は2019年にも同様に起訴されており、本人は飲酒していないと主張していたが、最近になって原因となるこの病気に気づいたそうだ。
フロリダ州在住のマーク・モンギアルドさんも、同じく自家醸造症候群で起訴された過去がある。飲酒運転の濡れ衣に加え、同僚から「酒臭い」と指摘され、教師の職を失ったという。