衆院3補欠選挙は28日投開票され、自民党が全敗。全選挙区で立憲民主党の公認候補が当選した。唯一、与野党対決となった島根1区では、元職の亀井亜紀子氏(58)が当選。自民は派閥の政治資金パーティー裏金事件の逆風を受け、東京15区と長崎3区で独自候補を擁立できず異例の不戦敗に追い込まれた上、頼みの島根1区まで落とした。3議席は元々自民議席だけに、岸田政権への大きな打撃となる。
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今回の結果で注目されるのが、今後の岸田首相の解散戦略。政治評論家の有馬晴海氏は「そもそも自民は、2選挙区で候補者を出していない。負け前提、分かりきった戦いだった」とした上で「岸田首相自身に関する影響も、あまりないでしょう」と指摘した。
「もともと岸田氏は、直近の解散は考えていない。各政党の調査などを見ると、いま衆院解散すれば立憲民主党が全部勝ってしまう状況ですから」。現在は9月の総裁選に向けて地ならしをしている段階。衆院解散は、総裁選で再選されて自身の地位をガッチリ固めた後という青写真を描いているとし「私は来年7月の衆参ダブル戦が有力とみています。日程が後ろになるほどいいし、かといってこれ以上は引き延ばせない」と予想した。
一方、応援に入った乙武氏が敗北を喫した小池氏については「八王子市長選は(自公が推薦した候補を)応援して勝ちましたが、小池氏個人の力を過大評価されすぎだったと思います。目黒区長選での推薦候補落選でも分かるように、すでに選挙民を左右するような神通力はない」と断言。「自民の体質を考えれば、ケンカして他党に行った小池氏を今さら担ぐようなことは考えにくい。小池氏も国政復帰はすでにあきらめていて、いまは7月投開票の都知事選に全力投球しているんじゃないですかね」と話していた。