高速道路はポイ捨て”無法地帯”!? ドライバーが捨てる「黄金のペットボトル」とは!? 悪質ドライバーを直撃

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愛知県小牧市の小牧インターチェンジ付近。防犯カメラの映像を見ると、トラックの窓から舞うペットボトル…高速道路では今、悪質な「ポイ捨て」が横行しています。中には、捨てられたごみが原因で大きな事故が起こるケースも。取材を進めると、背景にはドライバーを取り巻く「深刻な実態」も見えてきました。
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岐阜県羽島市の「NEXCO中日本 羽島保全・サービスセンター」。点呼を行い、「黄パト」と呼ばれる特殊車両に乗り込むのは、NEXCO中日本のグループ会社の職員たちです。彼らは、高速道路の修繕や災害復旧工事を行うこともありますが、週に2~3回、東海地方の高速道路をくまなく巡回して「ごみ拾い」を行っています。ペットボトルやタバコの吸い殻ほか、時には驚くような落とし物も。
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(中日本ハイウェイメンテナンス名古屋 万代篤士さん)「大きいものだと、足場とかドラム缶とか。テールランプやナンバープレートが落ちていたことも」
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目の前を車が時速100キロ近くで走る中での作業ですが、ごみを放置すると思わぬ事故につながることもあるのだとか。2024年2月、岐阜県大垣市の名神高速で、前を走るトラックから飛んできた「瓶のようなもの」が、後続車のフロントガラスとリアガラスを貫通。運転手の男性に当たり、重体になる事故がありました。
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(中日本ハイウェイメンテナンス名古屋 万代篤士さん)「スピードが出ているので、何か分からず、避けた拍子にぶつかったりする」
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その後、ごみ回収部隊は小牧インターチェンジへ。この場所の道路脇は「魔の植え込み」となっています。
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近くに設置された防犯カメラの映像を見ると、通過するトラックから次々と投げ捨てられる「ごみ」。目立つように「ポイ捨て禁止」の看板が立てられていますが、中には看板を狙うようにごみを投げるドライバーも。
(NEXCO中日本 遠藤幸一管理担当課長)「運転席からごみを投げやすい、渋滞が多く止まりやすい所」
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回収部隊の車両は、すぐにごみで一杯に。中でも目立つのは、茶色い液体の入った「黄金のペットボトル」と呼ばれたごみ。中身は、飲みかけのお茶ではなく「排泄物」です。ペットボトルの中に尿を入れて、そのままポイ捨てするドライバーもたくさんいるのだとか。コロナ禍でネット通販に火が着き、輸送量が増加したことに伴って多くなったそうです。
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魔のエリアは、高速道路だけでなく、一般道にも。愛知県一宮市の市道には、粗大ごみ置き場と見間違うほどの大量のごみが捨てられていました。道路自体は市の管理ですが、高速道路の高架下や縁石はNEXCOが管理しています。何度も清掃していますが、一向に不法投棄がなくならないそうです。捨てた人物を特定するために防犯カメラを設置していますが、全ての場所に対応することは難しい状況です。
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(NEXCO中日本 遠藤幸一管理担当課長)「証拠があれば正式なルートで通報などの対処をしている。モラルを持って、自分の出したごみは、自分で捨てていただくことをお願いしたい」
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取材した市道は、2車線とも一方通行になっていて、トラックドライバーたちの絶好の待機場所になっています。一週間後、同じ場所に行くと、片付られたはずの道路脇に、スプレー缶、靴など、たくさんのごみが捨てられていました。弁当箱、吸い殻など、トラックからごみを捨てる光景にも何度も出くわしました。また、路上で用を足したドライバーは、この日だけで5人も。
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(トラックドライバー)「『デジタコ』が付いているので動いちゃダメ。3時間以上の休憩が絶対。動いたら休憩扱いにならない」
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2015年から、総重量や積載量の大きなトラック(緑ナンバーの場合 総重量7トン以上か最大積載量4トン以上)は、「デジタルタコグラフ」と呼ばれる装置を付けることが義務付けられています。
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デジタルタコグラフには、トラックが「今どこを」「時速何キロで走っているのか」「何分かけて積み下ろしをしたか」といった情報がリアルタイムで記録されます。取材したトラックは、この場所で3時間、1センチも動かずに待機しなければならないといいます。
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また、休憩時間とは別に、荷主側の都合で長時間待機させられる「荷待ち」をしなければならないケースも。取材したドライバーの多くが「待機場所が少ない」という悩みを口にしていました。国は2023年7月、トラックGメンを創設し、悪質な荷待ちなどをさせる企業を厳しく取り締まっていますが、根絶には至っていません。
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長時間の拘束が「ポイ捨て」につながっている実態。取材した中には「ポイ捨てはしない」というドライバーも多くいましたが、一部のドライバーによるモラルなき行為が繰り返されています。
CBCテレビ「チャント!」4月22日放送より