オレンジ高騰の一方… 国産ミカンも“カメムシ”が原因で不足の可能性 西日本中心に大量発生のカメムシ「吸われると実がだめになる」

オレンジの値段が高騰。同時にオレンジジュースも販売価格が高騰し、一部で品薄が続いています。さらに「国産ミカン」も今後、品薄になる心配をしている人たちがいます。名古屋市中区のスーパー「サノヤ」。
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(サノヤ 万松寺店 永田善夫さん)「出荷量が少なく、すこし手に入りにくくなったり、例年だともう少し山積みにしたいが…」オレンジの主な産地であるブラジルの天候不順で、不作だったところに円安も重なり、いま値段が高騰しています。
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(サノヤ 万松寺店 永田善夫さん)「入荷量も少なく、値段もそれに応じて上がっている」オレンジ高騰の影響は、加工品にも。(サノヤ 万松寺店 永田善夫さん)「パックのジュースについては、オレンジだけ入荷してこなかったり、あっても値段がかなり高い。3割~5割上がっている」
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この店では、200ミリリットルの紙パックでオレンジジュースの入荷が止まっていて、900ミリリットルの紙パックは、1.7倍の値段で販売しています。(20代女性)「たまに買ったら、こんなに高かったっけと思った」日本果汁協会によりますと、オレンジの輸入果汁の価格は去年、1リットル当たり491円と、ここ数年で急激に上がっています。
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オレンジ果汁の大半を輸入に頼る日本。では、国内で果汁は確保できないものか?
訪れたのは、町内に400軒近いみかん農家がある三重県御浜町。町のキャッチコピーは「年中みかんのとれる町』」ですが…Qいまは、実がついていない?(御浜柑橘 芝安博社長)「小さなミカンの赤ちゃんがなっている」
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年間を通じて20種類以上のミカンを栽培していますが、5月から6月にかけては生産が落ち着く時期。では、オレンジ不足を国産ミカンでカバーできるものか伺うと…(御浜柑橘 芝安博社長)「加工用だと単価が安くなるので、青果用を販売して、生活が成り立ってる。加工用の栽培はしていないので特に影響はない」
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加工用は1キロ20円ほどと青果用の10分の1程度。ほとんどの生産者が加工用は栽培していません。オレンジ不足で加工用の需要が高まっても、ミカン農家にはあまり恩恵はないと言います。それよりも心配事は、国産ミカンも不足する可能性があるといいます。その原因が…
(中道陸平記者)「シャッターの間にいっぱいいますね」
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強烈なにおいを放つ「カメムシ」です。本来なら秋ごろから多くに目にするようになりますが、ことしは西日本を中心にすでに大量発生しています。(御浜柑橘 芝安博社長)「(カメムシには)実の果汁を吸う生態があって、カメムシに吸われると実がだめになる。加工にもまわせない」国産ミカンまで不足に陥らないよう、御浜町では4月末から農薬散布するなど、季節外れの「カメムシ」対策に追われていました。
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岐阜のスーパー「バロー」にあるのは、生搾りのオレンジジュースの自販機。オレンジ4個分をまるごと絞り、値段は1杯350円です。水や砂糖は不使用で添加物もなし。この「アイジュース」の自販機。シンガポール発で世界30か国以上に展開中。日本には去年4月に上陸し、現在約410台設置され、人気急上昇中。
更なる拡大を狙う中でいまのオレンジ不足については?
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(IJOOZ 米山利憲さん)「アメリカとオーストラリアに契約農家がいて、今年度中は供給できることが確認できている」
「アイジュース」は、ことし中に国内に1000台の設置を目指すと攻めの姿勢。世界で起きているオレンジのいわば奪い合い。日本では、今後“高嶺の花”となってしまうのでしょうか。
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