名古屋駅前に、ウクライナ料理店がオープンしました。店の従業員の半数以上がウクライナから避難してきた人たち。ボルシチや黒パンといった「ふるさとの味」を届けます。5月15日にオープンした、ウクライナ料理のレストラン「ジート」。ウクライナ料理店が名古屋市内にできるのは、これが初めてです。
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(日本ウクライナ文化協会 川口リュドミラ理事長)「ウクライナから避難してきた人たちが心を込めて作る料理をぜひ味わってほしい。ここ『ジート』を平和なウクライナを知ることができる場所にしましょう」
「ジート」は、ウクライナが産地として知られる「ライ麦」という意味。看板メニューは、家庭料理「ボルシチ」です。ビーツを使った伝統的な「赤いボルシチ」のほかに、ホウレンソウを使った「緑のボルシチ」も。黒パンを添えて、いただきます。
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ほかにも、日本でいう水餃子「ヴァレーニキ」など、ウクライナの家庭料理をランチのセットでお得に楽しむことができます。おととし2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻。最近もロシア軍がウクライナ北東部ハルキウ州で攻勢を強め、国境地帯での攻防が激化しています。東海三県には今もなおウクライナから約140人が避難していて、この店の従業員15人のうち9人も、ウクライナから避難してきた人たちです。
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シェフのハラリビチ・セリヒさん(40)もその1人。ウクライナでは工場の食堂で働いていて、料理には自信がありますが、少し緊張気味。(ウクライナから避難 ハラリビチ・セリヒさん 40歳)「盛り付けやお客さんに出すのが緊張する」
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日本の接客に慣れていない従業員たちは、15年以上日本に住んでいるウクライナ出身の女性から日本語での接客方法を教えてもらいました。(日本ウクライナ文化協会 榊原ナターリヤ副理事長)「お客さんがお店に来たら、私たちは最初にこのようにあいさつする。『いらっしゃいませ』」
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日本ウクライナ文化協会は、これまで名古屋・栄の焼き肉店を間借りし、月に1回程度、ランチタイムにウクライナ料理を出してきましたが、今回は常設です。店は名古屋に本社をおく「積村ビル管理」からの支援も受け、名古屋駅近くの「ウインクあいち」の地下にオープンすることに。このレストランには、避難してきた人たちの働く場所という意味もあります。(積村ビル管理 二村伝治社長)「高齢の避難民は、ほとんど日本語がわからないから、就職ができない。お店を開くことで雇用の場を設けたい。(ウクライナへの世間の)関心が薄まっている中、今回のレストランのオープンで、もう一回、ウクライナの人たちに対して(世間の)気持ちを向けていきたい」もちろんレストランには、「ウクライナの文化をもっと知ってもらいたい」との願いも…(従業員)「ウクライナ料理を食べてほしい。(日本人は)ボルシチがロシア料理だと思っているが、それは違う。ボルシチはウクライナ料理」「料理だけはなく、ウクライナの文化やウェルカムな気持ちを知ってほしい」
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オープン初日の15日、レストランには、駐日ウクライナ大使も東京から駆けつけました。(駐日ウクライナ特命全権大使 セルギー・コンセンスキー氏)「日本が、1ミリもウクライナへの支持・支援を減らさず継続的な行動をとってくれている。ウクライナの人たちに頑張ってもらいたい」営業は、月曜日から土曜日が午前11時から午後10時までで、日曜日は午前11時から午後6時まで。「毎日食べても飽きない」と言われるふるさとの味が、訪れた人そして従業員の「ココロ」を温めます。
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