水原一平被告の「事件映画化」をめぐる今後の大きな動きと懸念されるメディアスクラム

メジャーリーグ・ドジャースの大谷翔平投手の元通訳で、大谷の口座から1697万5010ドル(約26億4000万円)を盗んだとする銀行詐欺罪などで訴追されている水原一平被告の事件を、ドラマシリーズとして制作中であることを、米映画配給会社・ライオンズゲートが9日(日本時間10日)に発表した。
同社はアカデミー賞作品賞を受賞した映画『クラッシュ』(2005年)やホラー映画『ソウ』(04年)シリーズで知られる制作・配給会社。
プロデューサーを務めるスポーツジャーナリストのアルバート・チェン氏は、《これはピート・ローズ以来、メジャーリーグ最大のスポーツ賭博スキャンダルであり、その中心にいるのは最大のスター。私たちは物語の核心である信頼と裏切り、そして富と名声の罠に迫ります》とコメントした。
「ドキュメント風でやるのか、フィクション要素も入れた配役を決めてやるのか、どういった形でやるかが注目されるが、日本人キャストの起用もあり得るだろう。そうなった場合、大谷と水原容疑者の役を誰が演じるのかが非常に注目されるが、少なくとも日本とアメリカではある程度の興行収入が見込めるはず」(映画業界関係者)
直近では、水原容疑者は14日(日本時間15日)にロサンゼルスの裁判所に出廷し、罪状認否が行われる予定。出廷を前に、アメリカの一部メディアは、「水原容疑者の国籍は日本のため、日本に強制送還されることが確定的だ」と報じた。
「事件もそうだが、現在気になるのが、3月に行われた韓国でのドジャースの開幕戦の前に公開された、水原被告の妻の所在だろう。現時点では、日本に帰国するよりも、アメリカ国内にいた方が身の安全を確保できているはず。しかし、水原被告が強制送還となれば、妻も現地に留まることはできないだろう」(スポーツ紙記者)
妻の写真が公開されるまで、既婚者であることが明らかになっていなかった水原被告。しかし、2022年度分の提出した納税書類において、水原被告は課税所得の虚偽報告をしており、そこで、本来5000ドル(約78万円)の控除額を1万ドル(約155万円)として申請するために、既婚者であるにもかかわらず、「独身」だと偽って申告していたことまで明らかになったのだ。
「ギャンブルにどっぷりハマったことで事件を引き起こした水原被告だが、妻も続々と初めて知る衝撃的な事実を突き付けられているはず。仮に水原被告が強制送還となった後、おそらく妻も帰国すると思われるので、独占手記およびインタビューを取ろうと各メディアが取材合戦を繰り広げることになることは必至。水原被告本人は言うまでもなく、妻が告白本を出せば確実にベストセラーになるだろう」(同)
映像化も含め、水原被告本人とその妻の取材などをめぐり、今後、水原被告の事件をめぐって“バブル状態”になることは想像に難くはない。ただ、メディアスクラムによる被害も我々は考慮すべきだろうが……。