代表ら3人逮捕「つばさの党」ユーチューブ登録25万人超…選挙妨害動画の再生数10万回以上で高収益か

衆院東京15区補欠選挙(4月28日投開票)で無所属新人・乙武洋匡氏(48)陣営の街頭演説を妨害したとして、警視庁捜査2課は17日、公選法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体「つばさの党」代表・黒川敦彦容疑者(45)と、党から出馬し落選した幹事長・根本良輔容疑者(29)、党幹部・杉田勇人容疑者(39)の3人を逮捕した。元候補者や陣営が他陣営への選挙妨害を巡り逮捕されるのは極めて異例。同課は同日、特別捜査本部を設置した。
逮捕容疑は共謀して告示日の4月16日午前、亀戸駅(東京都江東区)前であった乙武氏陣営の街頭演説中、電話ボックスの上に座るなどしながら拡声機を使い、演説に重ねるように大音量で主張を訴えるなどして妨害した疑い。演説には小池百合子東京都知事らも参加していた。3人の認否は不明だが、逮捕前の取材にいずれも違法性の認識を否定していた。
捜査関係者によると、3人は補選中に複数の他陣営の選挙カーを車で追尾しており、同課はこれらも自由妨害容疑に当たるとみて立件を視野に捜査中。また、テレビ番組で党について批判的な発言をしたお笑いタレント・田村淳らの自宅周辺で街宣活動をしていた。同課はこれらの経緯も調べ、全容解明を進める。
つばさの党が動画投稿サイト「ユーチューブ」に立ち上げたチャンネルには、他党の候補者の選挙カーを追い回し、挑発を繰り返す動画がいくつも公開されている。過激な内容で再生数を稼ぎ、収益を得ようとしたのではないかと識者は指摘する。ユーチューブは、動画の再生数に応じて投稿者が広告収入を得られる。同党のチャンネル登録者数は17日時点で25万人超。再生数10万回以上の動画も複数あり、一定の注目を集めていたことがうかがえる。