ドンキで発見した危険すぎる弁当、オカズと脂質に目を疑うが… 妻ブチ切れの「開発経緯」で二度驚く

物語において最も目立つのは主役だが、彼らを陰で支える脇役の存在も見逃せない。得てして名作というのは、主役以外のキャラクターが良い仕事をしているものである。
ところで現在X上では、予想外の脇役(食材)をメインに据えた、ドン・キホーテのとんでもない弁当が話題となっているのをご存知だろうか。
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今回注目したいのは、Xユーザーのスグルさんが投稿した1件のポスト。
「フライドチキンの皮だけ弁当とか、ドンキ攻め過ぎだろ」と、摩訶不思議な単語の並んだ投稿には、ドンキ店頭で撮影したと思しき写真が添えられている。
ドンキで発見した危険すぎる弁当、オカズと脂質に目を疑うが… …の画像はこちら >>
そしてなんと、こちらの写真には、白米とフライドチキンの皮が大量に詰め込まれただけの、とんでもない弁当が写っていたのだ。

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「フライド」チキンという名の通り、他の鶏肉料理と一線を画すのはそのフライ(皮、衣)部分であることは間違いない。しかし「チキン」である以上、鶏肉あってこそのフライドチキン…のはず。
見ているだけで脳がバグりそうな光景は人々に衝撃を与え、件のポストは投稿から数日足らずで5,000件以上ものリポストを記録するほど大きな話題に。

他のXユーザーからは「炭水化物だけじゃないか…」「確かに攻めすぎだけど、嫌いじゃない。むしろ好物」「フライドチキンは皮が美味い!」「脂質がヤバすぎる」「こういうので良いんだよ」など、驚きと称賛の声が多数寄せられていた。
そこで今回は、ドンキを運営する「株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」(PPIH)に、同商品の詳しい話を聞いてみることに。
その結果、あまりに衝撃的なエピソードが明らかになったのだ…。
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フライドチキンの皮だけ弁当とかドンキ攻め過ぎだろ pic.twitter.com/nTS6wT9qDI
スグル (@kingsuguru96) May 8, 2024
ポスト投稿主・スグルさんは、今回の弁当を栃木県の「MEGAドン・キホーテ 宇都宮店」にて発見したそう。
当時の様子について、スグルさんは「8日の19時半ごろ、夕飯のお弁当を買いに行ったら偶然目にしました。フライドチキンの皮だけのお弁当など、今まで目にしたこともなかったので、思わず写真を撮っていました」と振り返る。
当然、非常に興味をそそられたが、「7月に会社の健康診断があるためダイエットをしており、食べたい気持ちを抑え、涙ながらにその場を去りました(笑)」と、強い意志を感じさせるコメントも得られた。
やはり、同商品を開発したのはフライドチキンの皮に並々ならぬ愛情を持った人物のようで、担当者は取材開幕から「唐揚げやフライドチキンの肉ではなく、フライドチキンの“皮”(美味しい衣と鶏皮)が食べたい」と断言。
話が通じる人物なのだろうか…といささか不安に感じつつ、開発経緯を尋ねると、担当者はややトーンダウンして「とあるファストフード店のフライドチキンの皮が好きすぎて、妻の分のチキンの皮を強奪し“丸裸なチキン”にしたら怒られました…」と項垂れる。
続いて立ち上がり、「そんな『チキンの皮だけ食べたい! 皮だけいっぱい食べたい! 肉より皮!』という、同じ思いを持つ“同士”に向けて開発しました」と、真っ直ぐな目で語ってくれたのだ。
正気と狂気の狭間を行き来しつつも、その愛情は確かなようだ。

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伊達や酔狂などではなく、フライドチキンの皮を真に愛している商品担当者。
「本来は、フライドチキンがあっての“皮”です。今回、皮を主役にするにあたりイメージとして、某ファストフード店で販売しているフライドチキンの皮のようなサイズ感・原料の確保・味付けの均一化に苦労しました」「本来はフライドチキンを含めた、全てのバランスが整うことによって実現する味ですが、皮だけでイメージを再現することには徹底的に拘りました」と振り返っている。
フライドチキンの皮を愛するが故に、決して「フライドチキンから分離しただけの皮」という、中途半端な存在にしたくなかったのだろう。

同商品パッケージにも表記されているように、ドンキではこうした「ド偏愛めし」を多数展開している。その詳細について、担当者は「商品のポイントは、とにかく“偏愛”です」と断言。
「『フライドチキンの皮だけ弁当』を見て頂ければ一目瞭然ですが、漬物やポテトサラダなどの副菜や彩りとなるグリーンリーフやレタス、ミニトマトなどはあえて無くし、全てを米と皮に集中特化しました」と、全集中の呼吸で商品を開発している旨を語ってくれたのだ。もはや事実上の「皮柱」である。
フライドチキンの皮は立派にオカズになる、と証明してくれたドンキ。今後も、スポットライトの当たりにくい「名脇役」に着目した、ユニークな弁当が誕生することだろう。

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秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。