近場で青果をどうぞ 卸会社、ローソンの一部を「間借り」 高齢者の買い物支援 スーパーが少ない地域に21店

青果卸会社がローソン沖縄の冷蔵コーナーの一部を「間借り」し、野菜や果物を販売する手法が県内で広がっている。Kフードプランニング(那覇市、古波倉正紀社長)が、本島北部など周辺にスーパーが少ない地域を中心に昨年11月から事業を始め、21店舗(今年2月22日時点)で展開。高齢者など遠くで買い物するのが難しい人を支援し、他のコンビニとの差別化につなげたい考えだ。買い物客に好評で、青果の日商が目標の5倍に達する日もあるという。(政経部・又吉朝香)
間借り事業はもともと、コロナ禍で飲食店などへの出荷が落ち込んだ北九州の青果店が、新たな収益を得ようと始めた取り組み。現在は九州から関東、東北のローソン約500店舗に広がっているという。
古波倉社長は沖縄で買い物が難しい人への支援として「コンビニマルシェ」を企画。事業を担う会社を昨年12月に設立した。青果をコンビニに納品し、間借り代などの手数料などを引いた金額が売り上げとなる。
関連記事ローソンでの買い物代行 専用サイトには商品が約100種類 沖縄県内コンビニ初 | 沖縄・・・ 荷主と個人配送業者を仲介するサービスなどを提供する物流ベンチャーのCBcloud(CBクラウド・東京、松本隆一社・・・www.okinawatimes.co.jp 1店舗当たりの目標日商は2千円だったが、周辺にスーパーが少ない本部八重岳入口店や大宜味塩屋店では、1万円を超える日もあるという。クリスマス前にブランドイチゴ「あまおう」を1パック200グラム498円で販売すると、すぐに完売する好評ぶりだった。
地域の特産品の取り扱いにも力を入れており、大宜味村の店舗ではシークヮーサー、今帰仁村の店舗ではクヮンソウを取り扱う。地域の特色を出し、農家の所得向上にも貢献したい考えだ。古波倉社長は「2023年度中に60店舗へ広げたい」と意気込んだ。
ローソン沖縄の担当者も「お客さんの来店動機の一つとなるように新事業として始めた。卸業者や加盟店と連携しながら青果取扱店を増やしていきたい」と期待している。