将棋の第82期名人戦七番勝負第5局が27日、北海道・紋別市「ホテルオホーツクパレス」で前日から指し継がれ、先手の藤井聡太名人=竜王、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖=が挑戦者の豊島将之九段を破り、シリーズ4勝1敗で名人初防衛を果たした。自身の持つタイトル連続獲得記録を22期に伸ばした。いまだ敗退はない。
後がなかった豊島がここで勝負の四間飛車の戦型を選択。豊島は今シリーズ初めて、また、対藤井戦でも初めて飛車を振った。対する藤井は穴熊に組み、自玉を固めた。
2日目に入り、自玉の堅さをいかした藤井が角をするどく前進させ、決戦に。中盤戦に入り、激しい攻め合いとなったが、穴熊が堅く、豊島の剣の切っ先はなかなか藤井玉に迫れない。一方の藤井は止めどなく攻めの手を続け、リードを少しずつ広げた。最後は力尽き、豊島が投了を告げた。
ここまで、名人戦と叡王戦のダブルタイトル戦を行っていた藤井。初めて先にカド番に追い込まれている伊藤匠七段との叡王戦五番勝負第4局は31日、千葉・柏市で指される。
八冠堅持に黄信号がともっている状況は変わらないが、名人初防衛でいい流れをみたいところだ。