京阪神など 梅雨入りを待たず5月として記録的な大雨 この先も雨量多く早めの備えを

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関西では、28日(火)は各地で断続的に強い雨や激しい雨が降り、京阪神など、5月としては記録的な大雨となりました。地盤の緩い状態が続いており、主流を中心に川が増水しているため、危険な場所には近づかないようにしましょう。
日降水量 5月観測史上1位の所も
発達する低気圧や停滞する前線の影響で、28日(火)は関西各地で大雨となりました。平年の5月一か月に降る雨の量を、たった一日で上回った所もあります。28日(火)に降った雨の量は、神戸市で172.0ミリ、京都市で154.0ミリ、兵庫県朝来市生野で191.5ミリ、兵庫県西宮市で161.0ミリ、大阪府豊中市で137.5ミリ、京都府福知山市で155.5ミリなど、日降水量としていずれも5月の観測史上1位の記録を更新しました。大阪市でも108.5ミリ(5月の観測史上2位)となり、京阪神の都市部も含め、記録的な大雨となりました。天気は回復してきましたが、大雨の直後で地盤の緩い状態が続いており、主流を中心に川の水位が上昇しています。危ない崖や斜面、増水した川べりには近づかないようにしてください。
梅雨入り遅れるも雨量は多め 気温も高め

先日、気象庁が発表した最新の3か月予報によると、近畿地方では降水量は平年並みか多く、気温は平年より高い予想です。5月29日現在、沖縄・奄美地方以外で梅雨入りの発表はありませんが、今回は梅雨のはしりの大雨となりました。近年では、大雨というと梅雨の末期をイメージしがちですが、今回のように梅雨さながらの大雨になることもあります。去年は梅雨末期よりも、梅雨入り直後(6月2日)に梅雨前線や台風の影響で災害レベルの大雨となりました。近畿の平年の梅雨入りは6月6日ごろで、今年は平年より遅れる見込みです。ただ、梅雨入りが遅れても雨量が多いということは、それだけ大雨に見舞われる可能性も高まるということになります。梅雨入りはまだでも、本格的な雨のシーズンに突入しつつありますので、大雨へ備えるようにしてください。また、梅雨が近づくと湿度も高くなってきます。まだ今シーズンはエアコンを使っていない方が大半だと思いますが、掃除や試運転などは早めに済ませておきましょう。
線状降水帯の新たな運用 府県単位での呼びかけ開始

気象庁は、先日27日(月)より、線状降水帯の新たな運用を始めました。新たな運用とは、線状降水帯による大雨の半日程度前からの呼びかけについて、対象地域をこれまでの地方単位から“府県単位”に絞り込んだというものです。線状降水帯が発生すると、大雨災害発生の危険度が急激に高まることがあります。この呼びかけが行われた時には、大雨による災害への危機感、心構えを一段高め、ハザードマップや避難所・避難経路の確認をするなど、迅速に身を守る行動をとってください。
大雨の備え

大雨が予想される場合、災害による被害を少しでも小さくしたいものです。そのために、あらかじめ備えておいていただきたいことは、次の3つです。① 避難場所や避難経路の確認をしておきましょう。いざ大雨による災害が発生すると、避難経路が通れなかったり、避難場所に行けなくなったりすることもあります。複数の避難場所や避難経路を確認しておくことが大切です。また、川や斜面の近くは通らないようにするなど、浸水や土砂災害の危険性が高い場所を避難経路に選ぶのは、避けてください。確認した避難場所や避難経路の情報は、家族で共有しておきましょう。② 非常用品の準備をしておきましょう。非常用の持ち出し品は、リュックなど両手が使えるものに入れて、すぐに持ち出せる所においてください。避難時に履く靴は、スニーカーなど、底が厚く、歩きやすい靴を用意するのが安全です。また、水道や電気など、ライフラインが止まった時に備えて、水や食料も用意してください。③ 側溝などの掃除をして、水はけを良くしておきましょう。砂利や落ち葉、ゴミなどが詰まっていないかも、確認しておいてください。いずれも、大雨になる前に、なるべく早い段階で備えるよう、心がけてください。