冷蔵庫のチルドとパーシャル、違いは何? 意外と大事な事実に「同じだと思ってた…」

冷蔵庫に備え付けられたチルド室とパーシャル室。「どちらも似たようなもので大きな違いはない」と思っていませんか。
実際には、両者の間には非常に大きな差があります。
それぞれの特長や使い方など、知っておきたい情報を、家電メーカーとして知られる『Panasonic』(以下パナソニック)の公式FAQより解説します。
パーシャルとチルドの違いについて、パナソニックの公式FAQでは以下のように解説しています。
パーシャルとチルドの大きな違いは、温度にあります。パーシャルは「約-1~-3℃」(温度「中」設定時)です。魚や肉がわずかに凍り始める絶妙な温度で、食材の表面から微凍結の層を作り、酸化を防ぎます。
チルドは「約0~2℃」です。パーシャルと冷蔵室(約3~6℃)の間の、食材が凍り始める寸前の温度で、食材の鮮度を保ちます。
パナソニック ーより引用
温度の差はわずかに見えても、食材が凍るか凍らないかという点で、両者の間には非常に大きな差があります。
細胞の周りに微凍結層ができるパーシャルの場合、氷の結晶が食べ物の劣化スピードをゆるめてくれるでしょう。保存期間は魚や肉で約7日間です。
一方チルドは、凍る直前ではあるものの、基本的に冷蔵室での保存と大きな違いはありません。食品の保存期間は4日程度を目安にしましょう。
もっとも長持ちさせられるのは冷凍保存ですが、カチカチに凍ってしまうのはちょっと…と思う場面も多いもの。パーシャル室をぜひ活用してみてください。
パーシャル室とチルド室には、それぞれ適している食材があります。どちらに入れようか悩んだ時には、ぜひ参考にしてみてください。
パーシャル室に向いているのは、肉や魚にハムやベーコンといった加工食品です。また調理や下ごしらえを終えた段階の食べ物も、パーシャル室で保存すると傷み予防につながります。
一方でチルド室は、納豆やチーズ、漬け物にゆで麺など、凍らせたくない食材の保存におすすめです。
「チルド室で保存しなければいけない」という食材はないため、冷蔵室と同じ感覚で活用してみてください。保存スペースが広がることで、全体の使い勝手もよくなるでしょう。
パーシャルとチルド、それぞれの保存期間は、食材の状態や扱い方によって異なるもの。賞味期限や消費期限の延長を保証するわけではないという点も知ったうえで、ぜひ賢く活用してみてください。
両者を正しく使い分けることで、フードロス削減や食費節約効果も期待できるのではないでしょうか。
[文・構成/grape編集部]