黒字経営を続ける沖縄県宮古島の共同売店「狩俣マッチャーズ」のノウハウを学ぼうと、国頭村与那区で2月20日、狩俣自治会の國仲義隆会長を招いた意見交換会があった。村内外の共同売店の店主ら約20人が参加。コンビニの出店や集落の過疎化が進む中、共同売店が地域で果たす役割や将来像について考えた。(北部報道部・粟国雄一郎)
■地元の190人が出資する株式会社 狩俣地区は、宮古島の北側の突端に位置し、三方を海に囲まれた212世帯、人口460人の集落。自治会は120年の歴史と伝統があるが、小中学校とも複式学級化されるなど少子高齢化が進む。
狩俣購買組合を前身とする狩俣マッチャーズは、地元の190人が出資する株式会社。直近では年間およそ1億5千万円の売り上げがあり、大部分は経費で差し引かれるが、利益はマッチャーズで使える買い物券で還元する。
池間大橋に通じる幹線道路沿いにあって、近隣にスーパーやコンビニなどの競合店がないのも好条件。生鮮食料品や日用品、雑貨など多くを取りそろえるが、姿や形は悪くても安価な野菜や、地元で取れた魚介などを目当てに訪れる地元客もいて、弁当や総菜もよく売れるという。
■若い人はスーパー好むけれど… 國仲さんは、若い人たちが市街地のスーパーを好む傾向に変わりはないとした上で、売り上げの半分は観光客を中心とした地元以外の利用客であることを紹介。仮に競合店ができても、お客さんに選んで来てもらえる特色ある店作りが今後の課題と話した。
移住者や旅行で訪れる人と共に、地域外から応援してくれる「関係人口」を巻き込むことも鍵ではないかと指摘。「コンビニや道の駅がある中で、共同売店の存続の必要性も含めて判断していく必要があるのではないか」と提起した。
参加者からは、観光客に来てもらうための品ぞろえや環境に負荷をかけない容器での販売、商品券の配布方法などについて質問や意見が上がった。
集落内の畑で作られる野菜の販売を巡り、マイクの放送で呼びかければすぐに売れるといった参加者同士の情報交換もあった。
売り上げ1億5千万円 沖縄・宮古島、460人集落の「共同売店…の画像はこちら >>
國仲義隆さん