東京都知事選(20日告示、7月7日投開票)に出馬表明している蓮舫参議院議員(56)、小池百合子都知事(71)が14日午後2時の同時刻にともに都内で会見を行った。2人は、告示まで1週間を切った都知事選への意見をぶつけた。一方、組合員数125万人超の労働組合組織「連合東京」が小池氏支持の方針を固めた。連合は、蓮舫氏も所属していた立憲民主党の最大の支援団体。蓮舫氏にとって、巨大な組織票を失うことになった。
都知事選開幕まであと6日。この日は蓮舫氏VS小池氏の同時刻会見合戦が行われた。午後2時から、蓮舫氏は外国特派員協会で。小池氏は定例会見で。自らの主張を戦わせ、バチバチ感を漂わせた。
蓮舫氏は、樹木の大量伐採が問題視されている神宮外苑再開発問題を「争点にする」と断言。「緑を切る開発が本当に大事なのか問いたい」と、小池氏のイメージカラー「緑」を逆手に攻撃した。さらに「副都知事じゃだめなんです」とキラーフレーズを発動。09年の民主党事業仕分けでの名言「2位じゃダメなんでしょうか」になぞらえ、知事への思いを口にした
そんな蓮舫氏に懸念材料も。連合東京が、小池氏を支持する方針を固めたことが明らかになった。19日の執行委員会で正式決定する。小池氏が進めるカスタマーハラスメント防止の取り組みなど、政策面での考え方が一致しており、都政の継続を望んだとみられる。
立民候補を支援してきた連合だが、共産党から全面的支援を受ける蓮舫氏の姿勢を疑問視する声が上がっていた。連合の清水秀行事務局長は12日の共同通信とのインタビューで、共産党と一体となり活動しており「受け入れられない」などと批判していた。共産党とは考え方が相いれないとの立場を取っており、蓮舫氏支持を見送ったもようだ。
連合東京は前回の都知事選でも小池氏を支持。大勝の原動力となっていた。東京都ホームページによると、連合東京の組合員数は125万9059人。小池氏は前回366万1371票を獲得しており、単純計算すると小池票の3分の1に当たる大票田となっている。
厳しい状況になった蓮舫氏だが、「不思議なんですけど、すでに私を支援すると内々に表明してくださっている労働組合の方たちもおります」と明かした。過去の小池氏の発言を意識してか「私は支援者を排除しません」と強調。「政党や組織のためでなく、私がやりたいのは都民のための政治だ」と訴えた。
(樋口 智城)