スマホ転売ヤーはSNSで「パパ活」相手を募集していた女性を狙って代行購入を持ちかけ、買い取り店に売り飛ばして代金をだまし取っていた。
詐欺の疑いで19日、大阪府警吹田署に逮捕されたのは兵庫県尼崎市の宗綱航太容疑者(32)。
宗綱容疑者は近くで「パパ活」相手を募集している女性をSNSで探し、吹田市居住の20代の女性に<定期さんが辞めて月3回の7~10で探しています>とメッセージを送り、7万~10万円のギャラで「新たな定期さん」(セフレ)を募っているフリをしていた。
宗綱容疑者は女性と何度かやりとりをするうちに、「家電購入の代行のバイトをしてくれませんか」とスマホの購入を依頼。女性が興味を示すと「SIMカードを入れ替えれば支払いはボクになる。あなたがお金を払うことはない。少し使ったら解約してボクからお金を返却する」と嘘をつき、女性を呼び出した。そして4月22日、大阪市中央区の家電量販店で女性に分割払いでスマホを購入させ、買い取り店で転売し、連絡を絶った。
翌23日、女性が同署を訪れ、「SNSで知り合っただけの男に携帯を渡してしまったので、何か犯罪に加担させられたんではないか、と怖くなった」と相談。その時点で女性は金銭的被害に遭ったことには気づいていなかったという。
「宗綱は『一番安いプランで契約してください』と言って女性に10万円以上するスマホを購入させ、少額の報酬を渡して信用させていた。女性は実際に会う直前まで『今日は大人でよろしいでしょうか?』と『大人の関係』になるつもりだったようだが、宗綱の目当てはあくまで金で、女性と肉体関係はもたずに姿をくらました」(捜査事情通)
被害額が少ない割には手が込んでいることから、同署は宗綱容疑者が同じ手口で複数の女性をだまし、スマホの転売を繰り返していたとみて調べを進めている。
「安いプランで契約させたのも、女性が泣き寝入りすることを狙っていたのかもしれない。パパ活はSNSで知り合った初対面の男女が密室で2人きりになるため、ヤリ逃げされたり、トラブルに巻き込まれても被害を申告しないケースも多い。売春をしている女性の後ろめたい心理につけ込んで、小遣いを渡しておけば、被害届を出さないだろうと考えていたのではないか」(前出の捜査事情通)
宗綱容疑者もまさか女性が被害に気づかないまま警察に駆け込み、「パパ活」を自己申告するとは思わなかったのかもしれない。