盗撮で逮捕された富山県に出向中の「ANAあきんど」の社員が、前の出向先である岐阜県高山市にいた際も一人暮らしの女性のアパートに侵入してパンティーを盗んでいた。
住居侵入と窃盗の疑いで富山県警富山西署に逮捕されたのは、県観光振興室主幹の宇佐美貴史容疑者(55)。
6月8日、富山市内の商業施設で10代の女性の後をつけ、背後からスカートの下にビジネスバッグを差し入れ、パンティーを動画で盗撮した。バッグには親指ほどの穴が開けてあり、そこからビデオカメラに取り付けた小型レンズの先端が出ていた。警備会社の保安員が不審な動きに気づき、その場で宇佐美を取り押さえ、現行犯逮捕。その後、自宅をガサ入れすると、女性のパンティー2枚(時価1000円)が見つかった。
「ANAあきんど」は地域創生ビジネスも展開し、宇佐美容疑者は2021年4月から高山市に出向。その時期に市内にある30代の女性が住むアパートの1階に忍び込み、室内にあったパンティーを盗んだ。女性と面識はなく、女性はまったく被害に気づいていなかった。
宇佐美容疑者は12日に処分保留で釈放され、富山県の聞き取り調査に対し、「職を全うするために来たにもかかわらず、このようなことになり、皆さまに申し訳ない」と話しているという。
宇佐美容疑者は28日付で懲戒免職。県は「常習性がみられたことと、犯行が計画的で悪質性があると判断できることから懲戒処分の中で最も重い免職とした」(人事課)と説明する。
スピード処分となった理由についてはこうだ。
「ANAあきんどと協議した結果、速やかに出向元に戻ってもらい、そちらでも処分されることになるようです。今年4月から富山県に出向し、観光プロモーション全般を担当していました。関係者とのやりとりも良好で、課長級の職員として6人の部下を指導、監督する立場でした」(人事課)
宇佐美容疑者は高山市に勤務していた頃、総務省の「地域活性化起業人」を紹介する民間企業の活用事例に取り上げられ、<国際的な観光都市としても有名な高山。例年実施される高山祭(春・秋の年2回)には、市役所職員として宵祭り警備等に出役し、観光客の安全と円滑な祭り行事の遂行に貢献>と胸を張っていた。
まさか高山でパンティー泥棒していたことがバレて、クビになるとは思ってもいなかっただろう。