今年度で閉校する新潟県阿賀野市の小学校で8日、校舎内を全力で走るイベントが開かれました。子どもたちに最後の思い出を作ってもらおうとPTAが企画したこのイベント。子どもも大人も校舎を駆け回り楽しんでいました。
逃げる子どもたちに…追いかけるハンター。決戦の舞台となったのは小学校の校舎です。
8日、阿賀野市の分田小学校で開かれたのは「逃走中in分田小」です。
逃げるのは分田小学校の児童38人。対するハンターはPTAの保護者など大人が務めます。
【分田小学校の卒業生 清野 幹 さん】
「最後に子どもたちの笑顔を見たいので、一生懸命やるので良い思い出になればなと思います」
分田小学校の卒業生でタレントの清野幹さんもハンター役として参戦しました。
児童はハンターから逃げながら捕まった仲間を助けるためミッションに挑戦していきます。本家さながらの「逃走中」を楽しむ子どもたちの一方で、肝心のハンターはというと…
【ハンター】
「追い付かない」
「全力で走ると子供のほうが速い」
始まって早々、疲れの色を見せます。それでも大人たちがここまで本気になるのにはある理由がありました。
【分田小学校 中山 雅人 PTA会長】
「本当に最後なので、『普段は走っちゃダメだよ』と言われている校舎の中を全力で走っていいよ、そういう思い出を作ってほしいなと思いました」
3年前に新型コロナウイルス禍で学校行事が軒並み中止となる中、子どもたちに少しでも思い出を作ってもらおうと始まったこのイベントですが、実は今回が最後。
分田小学校は今年度で閉校し138年の歴史に幕を下ろします。「最後の思い出を校舎で作ってほしい」そんな思いが込められていたのです。
【分田小学校の卒業生 清野 幹 さん】
「いざ自分の母校が閉校になると、こんな寂しいものなんだって。このまま終わるより僕も6年間通った学び舎で一緒に生徒さんたちと遊ぶことができたので本当に自分的にもいい思い出になりました」
ハンターに捕まってしまった子どもも…逃げ切れた子どもも…138年の歴史が刻まれた校舎内を全力で駆け回った子どもたちには笑顔が溢れていました。
【児童】
「思い出に残りました」
「6年間で3回しかできなかったけど、みんなと協力して逃げられたことが本当に楽しかった」
「本当は来年もやりたいですけど、閉校になるのが悲しい」
最後の卒業式まで2週間あまり…閉校前の校舎には子どもたちの元気な声が響いていました。