千葉市中央区の県立千葉南高校で8日、卒業式が開かれた。入学当初から新型コロナの影響を受け、高校生活をマスク姿で過ごした卒業生。卒業式は、政府の方針でマスク着用が任意となったことから、ほとんどの卒業生が素顔で参加した。入学式では歌えなかった校歌の斉唱もあり、卒業生は「卒業式はちゃんとできて良かった」「やっとマスクを外せた」と笑顔で巣立った。
今年の卒業生は新型コロナの影響を大きく受けた。2020年4月の入学式は、時間を短縮するなどの理由で、荷物を持ったままマスクを着けて行われた。保護者も原則1人に制限され、校歌なども歌えず。さらに、入学式翌日から2カ月間休校となり、部活や行事も中止や縮小を余儀なくされてきた。
晴れて迎えた卒業式。大半の卒業生がマスクを外し、吹奏楽部の伴奏で入場した。感染予防のため、国歌や校歌を歌う際はマスクを着用し、送別の歌は中止になったが、卒業生一人一人の名前が呼ばれ、2年生も出席するなど、ほぼコロナ前と同じ式典となった。
卒業生の末吉彩さん(18)は「入場したら、みんなマスクを外していて感動した。初めて素顔を見た人もいた。みんなの素顔を見て卒業できて良かった」。保護者も人数制限なく参列。女子生徒の父親(58)は「入学式を見ることができなかった。卒業式は出席できてうれしい」と喜んだ。
岩土賢祐校長は「予行練習では大半の卒業生がマスクを着けていたので、きょうはびっくりした。晴れやかな気持ちで羽ばたいていってほしい」と期待した。