Switch版『Ib』プレイレビュー、洗練されたホラー演出が見事 程よい緊迫感の中で美術館から逃げ出せ

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9日にNintendo Switch版が発売開始したホラーアドベンチャーゲーム『Ib』。今回はいち早くプレイした記者がネタバレなしでクリアレビューしていくぞ。
『Ib』は、製作者のkouri氏が個人サイト「モノクロミュージアム」にて2012年に公開したフリーゲーム。2022年4月に同作のリメイク版がSteamで発売され、Nintendo Switch版が9日に発売開始される。Steam版では「圧倒的に好評」と高い評価を獲得しており、前評判高くNintendo Switchにて登場するぞ。

同作のあらすじは、両親に連れられて美術館に訪れた主人公・イヴが、作品を見て回る最中に絵画や彫像が動き出す“謎の世界”に飛ばされてしまい、道中で出会った味方と共に美術館からの脱出を図る…といったストーリーとなっている。
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『Ib』では、美術館の展示品らが次々とイヴに襲いかかってくるのだが、この恐怖演出がどれも見事。記者は深夜に『Ib』をプレイしていたのだが、正直後悔したレベル。美術館が舞台ということもあり、独特な不気味さが漂う世界観で起こる怪奇現象が秀逸な怖さを演出している。

美術館で登場する敵の中には、絵画の中から上半身だけを出して這いずるようにイヴを追いかけてくるキャラもいるのだが、追いかけてくるスピード感がちょうど良く、気を抜いていると一瞬でやられてしまう。

これは、難しすぎず楽しく遊べるものの程よい緊張感に包まれ、遊びがいがある難易度調整と言えるだろう。

また、『Ib』は登場キャラクターらとの会話の選択肢や好感度によってエンディングが変わるマルチエンディング形式が採用されている。そのため、何度も繰り返し遊ぶことで様々な結末を見ることができるのも嬉しいところだ。

『Ib』は、謎解きメインで進めていくADVなのだが、ゲーム自体の難易度はさほど高くなく、記者の1周目クリア時間も2時間程度とサクッとクリアすることが可能。謎解きが苦手でも公式サイトで攻略情報が公開されているため、ヒントを見つつクリアを目指すこともできる。

同作は、ゲーム内音楽も素晴らしく記者はプレイ中に手を止めて聞き入ってしまうほど。細かい部分で言うと、画面におけるマップの割合が少なく、主人公やマップが小さく表示されているため、せっかくの展示物がよく見えないという欠点もあるのだが、これは「画面のズーム」機能が採用されているため、さほど気にならなかった。
『Ib』は、Nintendo Switch向けに2023年3月9日発売予定。価格は税込1,500円だ。
(取材・文/Sirabee 編集部・北田力也)