愛知県愛西市“ゼロメートル地帯”に最新防災拠点完成 3mの盛り土に約7400平方メートル ボートやヘリで救助し大型ヘリで浸水区域外へ

愛知県では、津波の被害から住民の命を守るための最新施設が完成しました。どんな施設なんでしょうか。
(中継:CBC「チャント!」斉藤初音アナウンサー)「愛知県愛西市からお伝えします。広い敷地に作られた、今後の愛知県の災害救助の拠点となる場所。高さ3mの盛り土の上に、およそ7400平方メートルの敷地が広がっています。
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『ゼロメートル地帯広域防災活動拠点』という施設で、愛知県が南海トラフ巨大地震による津波を想定して作りました。3月18日から運用開始予定なんですが、きょう10日は、特別に『チャント!』の中継で紹介します。
一体この施設がどんなふうに運用されていくのか、愛知県の稲石さん、よろしくお願いいたします。まず、こちらの拠点はどのように使われていくんですか」
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(愛知県 防災危機管理課 稲石和豊さん)「はい。南海トラフ地震発生時に、堤防沈下や津波によって浸水したときに、愛知県民の皆さんの命を守るために、ボートやヘリコプターで救助し、浸水区域外に搬送する広域防災活動拠点となります」
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(斉藤初音アナウンサー)「実際に浸水となった場合に、屋根の上そして建物の2階などで避難している人をボートで救助して、この場所に集めてヘリコプターでまた別の場所に移動させる、そのための拠点なんですよね。そのために様々な仕組みがあるということなんですが、まずこちらの坂、どういった作りになっているんですか」

(愛知県 防災危機管理課 稲石和豊さん)「はい。平時は歩行者用のスロープとして、災害時はボートの船着場として、このガードパイプにボートを係留していきたいと思ってます」
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(斉藤初音アナウンサー)「この辺り海抜0m地帯ですので、ボートでの救助が想定されるということで、ガードパイプに船を結びつける“船着き場”として、利用することが可能ということです」
さらに、こちらの敷地を見ると、曲線の変わった建物がありますね。こちらはどんな建物なんですか。
CBC
(愛知県 防災危機管理課 稲石和豊さん)「はい。こちらは2階建ての防災倉庫で、1階に飲料水や毛布、救助ボートなど救助のための資機材を備えています。2階は避難救助した方に一時待機してもらうスペースとして設けています」
(斉藤初音アナウンサー)「実際にここに避難したとしても、ヘリコプターがいつ到着するかわからないということで、備蓄がされているということなんです。ちなみに愛西市のこのあたり、実際に浸水した場合、どれぐらいの被害が想定されるんですか」
(愛知県 防災危機管理課 稲石和豊さん)はい。この辺りは、被害想定では約2mほど浸水が想定されていますので、余裕を見て3mの高さで盛り土しております。
(斉藤初音アナウンサー)「3mということです。そして重要となってくるのがこの、緑色の人工芝でできたヘリコプターの離着陸場です。かなり広いですが、大きなヘリコプターが離着陸することができるということです」

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(愛知県 防災危機管理課 稲石和豊さん)「そうですね。大型のヘリコプターが離発着できる大きさです。一度に約50人の人たちを搬送することができます」
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(斉藤初音アナウンサー)「50人!かなり人数が多い、ヘリコプターが離着陸できるということですね。ではこういった活動拠点が作られたことについて、地域の方々はどのように感じているのか、こちらの活動拠点の隣にある高齢者施設「佐屋苑(さやえん)の園長、大原さんにお話を聞きます。こういった施設についてどのように感じていますか」
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(特別養護老人ホーム 愛厚ホーム佐屋苑 大原好夫さん)「佐屋苑の利用者は、ほとんどの方が車椅子で移動しています。津波などの災害が発生したとき、この活動拠点とホームとがスロープで繋がれているということで、非常に助かっています。
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また地域の人たちが被災して、けがをした際、佐屋苑の看護スタッフが処置室等で治療するなどの協力もしたいと考えています」
(斉藤初音アナウンサー)「施設に入られている方も、1階に行ってから、またこちらの施設に移動するわけではなくて、2階から直接スロープで移動できるということになると安心ですよね。こういった施設を愛知県はどのように今後進めていくんでしょうか」
(愛知県 防災危機管理課 稲石和豊さん)「はい。愛知県では、愛西市の他に西尾市で2024年度内に供用開始を目標に進めていまして、弥富市、豊橋市も整備を進めていきたいと考えています」
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(斉藤初音アナウンサー)「南海トラフ巨大地震が発生するとされている中、こういった災害救助の拠点となる場所の重要性は今後も高まってきそうです」