冷たい水にティーバッグを浸しておくだけで、気軽にアイスティーを作ることができる、水出し紅茶。
気温が高い日などは、コップや水筒に入れたアイスティーを口にして、涼みたくなりますよね。
水出し紅茶は、手軽さが魅力の1つ。しかし、ほかの飲食物と同様に、正しい使い方を心がけなければ、時に健康に害を及ぼす可能性もあります。
2024年夏、国内唯一の紅茶関連業者の団体である、日本紅茶協会はウェブサイトを更新。水出し紅茶の安全な使い方について書かれた、ガイドラインを公開しました。
同団体によると、紅茶独自の製法や茶葉には食中毒菌などのリスクは探知されていないとのこと。とはいえ、使用する紅茶葉や抽出液には微生物が存在するため、状況よっては数時間で微生物が増殖し、食中毒につながる可能性があるそうです。
また、お湯で抽出をするよりも、水で抽出するほうが、一般的に微生物が残存しやすいといわれています。
同団体は、水出し紅茶による食中毒を防ぐため、注意喚起も兼ねてガイドラインを公開。食中毒を防ぐための4つのNG事項を挙げています。
①手指・容器の衛生管理:(つけない)
茶葉や水・湯に問題がなくても汚れた手指、汚れた保存容器で作るのはやめましょう。せっかくの抽出液が汚染されてしまいます。⇒水出し紅茶を淹れる前によく手を洗い、清潔な容器を使用。
②使用水・抽出時の温度:(増やさない)
長時間の常温の水、常温下の抽出はやめましょう。微生物の増殖リスクにつながります。⇒数時間を要する場合には冷水を用いて、涼しい場所で抽出。(望ましいのは冷蔵庫)
③保存環境・温度:(増やさない)
常温で長時間の放置はやめましょう。微生物の増殖リスクにつながります。⇒抽出液はできる限り冷蔵庫で保存。持ち歩く場合はできるだけ冷やして。
④消費時間:(増やさない)
大量に作って数日間にわたり飲用するのはやめましょう。微生物の増殖リスクにつながります。⇒当日中に消費するのが原則。容器に口をつけた場合はできるかぎり速やかに飲みきる。
日本紅茶協会 ーより引用
厚生労働省や各自治体は、食中毒予防の三原則として『微生物をつけない、増やさない、やっつける』を掲げています。
もちろん、それは水出し紅茶を楽しむ上でも重要。手指と容器の衛生管理、抽出液の温度と気温、保存環境、消費時間がポイントだといいます。
簡単に紅茶を飲むことができるため、日本国内でも高い人気を誇る水出し紅茶。きっとティーバッグを買いだめして、毎日のように口にしている人も多いでしょう。
ガイドラインはSNS上でまたたく間に話題になり、全国の紅茶愛好者からさまざまな声が上がりました。
・水出し紅茶は楽だしおいしいけど、こういう点もしっかり覚えておきたいよね。
・夏は水出しアイスティーを飲む人が増えるし、これは広まるべき。
・こういう情報はありがたい!手洗いもしっかりと心がけようっと。
なお同団体は安全のため、パッケージに『水出し用』などの記載がある、水出しをすることも踏まえて衛生的に管理された商品の使用を推奨しています。
食中毒は最悪の場合、命を落とすこともある恐ろしい症状。直接体内に入るものだからこそ、正しい消費方法を意識したいですね。
[文・構成/grape編集部]