ヒリヒリするような父と娘の会話におろおろしながらも、同じ車に乗っているかのような温かな気持ちになるロードムービー。
大好きだった父親が突然いなくなる。大人の事情があったのだろうが、幼い娘には分からない。激しい思慕と寂しさの中で育った娘は、旅に誘う父親に何を今更と取り付く島もない。愛憎入り乱れて、大好きなのに反発してしまう娘の心情がいとおしい。
演じるのは、実の父娘であるユアン・マクレガーとクララ。成長して女優になったクララが、1通のラブレターのように父宛てに送ったのが本作の脚本。そして、映画は父からの返信ラブレターのように愛にあふれている。
ほんわかなんてもんじゃない、まるで闘いのような2人の愛情表現だが、本音をぶつけ合ってたどり着いた先に希望の光を見る。
(スターシアターズ・榮慶子)
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