米軍は8日午後7時30分ごろから、沖縄県の米軍嘉手納基地でパラシュート降下訓練を実施した。県や基地周辺自治体が中止を求める中の強行で、少なくとも米兵10人が航空機から飛び出し、パラシュートを使って、嘉手納基地滑走路に降下した。嘉手納基地での降下訓練は4月19日以来、約3カ月ぶり。年間の訓練回数は2019年の4回を超える5回で最多となった。1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で、読谷補助飛行場から伊江島補助飛行場(伊江村)への訓練移転合意後、訓練回数は今回で計20回に上っている。
米軍嘉手納基地に降下する10人の米兵
8日の降下訓練は午後7時ごろ、MC130特殊作戦機1機が嘉手納基地の滑走路を離陸。午後7時28分に10人の米兵がパラシュートで降下した。物資の投下は確認されなかった。
降下訓練は原則、伊江島補助飛行場で実施することになっている。米軍は伊江島補助飛行場の滑走路の不具合を理由に、訓練で使用する機体の離着陸に同飛行場が適さないとし、これまで嘉手納基地での訓練を「例外」と強調している。
沖縄県や基地周辺自治体などは、民間住宅地が近接する嘉手納基地での訓練に反対している。訓練が計画されるたびに中止を求めているが、米軍は訓練を強行している。嘉手納基地では昨年12月から5カ月連続で降下訓練が実施されてきたことから、「例外」ではなく「常態化」していると反発している。
米軍は5月23日にも嘉手納基地で6カ月連続となる訓練を計画していたが、悪天候の影響で予定時刻直前に中止した。6月は訓練しなかった。
降下訓練の全面禁止などを求めている基地周辺自治体で構成する「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)」は、沖縄防衛局などに抗議する方針。米軍がパラシュート降下訓練 嘉手納基地で3カ月ぶり 周辺自治…の画像はこちら >>