“荒れた都知事選”に専門家警鐘「選挙の信頼損なう」 新潟県民からも様々な声…「子どもに見せられない」

7月7日、投開票を迎えた東京都知事選。問題視されたのが当選を目的としない人たちの出馬や選挙には関係のないポスターの設置でした。選挙の在り方が問われた都知事選について、新潟県民からも様々な声が聞かれる中、専門家は「選挙の信頼を損なう」と警鐘を鳴らしています。

7日に投開票され、現職の小池百合子氏が3選を果たした東京都知事選。

過去最多の56人が立候補し、投票率は前回を上回る60.62%となるなど注目された一方で問題視されたのが…

【都知事選立候補者の訴え】
「かわいい私のことを皆さんに知っていただきたいという一心で(党の)名前をつけました」

【都知事選立候補者の訴え】
「選挙に行く必要はありません。私にも一票入れないでください」

都知事になることが目的ではない出馬。

ポスター掲示板には過激な写真や自身とは無関係の写真を掲載する候補も現れるなど選挙の在り方が問われました。

【記者リポート】
「大きな注目を集めた都知事選から一夜明け、県民はあの選挙をどのように見たのでしょうか」

【50代男性】
「これ、やっちゃいけないんじゃないのというのが結構あったのでは」

【20代女性】
「よくないなと思って見ていた。子どもとかにあまり見せられない。そういうことがあまりないといい」

本来の選挙の目的から外れた候補者が乱立したことについて、県民からは各候補者の訴えの精査やネット上での情報の取り方の難しさを訴える声も聞かれました。

【70代女性】
「あんまり多すぎて。ちょっと何かなと思った」

【10代男性】
「ネットだと正しい情報もあるし、偽の情報もあるので、新聞とか直接話を聞いてみたほうがいいかなと思う」

こうした状況をめぐり、選挙法などに詳しい新潟大学法学部の益田高成准教授は「無投票にならず、有権者が選挙に関わるのは望ましいこと」とした上で…

【新潟大学法学部 益田高成 准教授】
「選挙の本来の趣旨にそぐわないものだし、選挙そのものの信頼を損なうものになる。被選挙権が一部の人たちにとっておもちゃにされているという状況については憤りを感じざるを得ない」

いわゆる「選挙の悪用」に怒りをあらわにしました。

益田准教授はこうした事態は今後、県内の選挙でも起こりうるとし、正しい情報を一つの媒体からだけでなく、複数の媒体で確認することなどが重要だと指摘します。

【新潟大学法学部 益田高成 准教授】
「基本的には複数の媒体、メディアに目を通してから投票先などの判断を下すということが重要なのではないかと思うところ」

私たちの暮らしをよくするために重要な選挙。有権者による慎重な判断とともに立候補者の自覚が問われています。