卒業控えた小6児童“いじめ被害”も…中学校に引き継がれず不登校に「実態含め検証を」【新潟】

去年3月、新潟県上越市の小学校で卒業を間近に控えた児童に対するいじめが発生したにもかかわらず担任がいじめに関する資料を廃棄。進学する中学校への引き継ぎも行われていなかったことがわかりました。児童は進学した中学校で不登校になっています。

7月12日開かれた上越市の文教経済常任委員協議会。

【上越市 早川義裕 教育長】
「上越市立小学校で発生したいじめ事案について、これは学校管理下で発生した事案であり大変重く受け止めております」

報告されたのは、去年3月に上越市の小学校で発生したいじめについてです。

当時6年の児童が学校で、卒業式で発表する歌の自主練習を行っていたところ、自身の歌声に関するほかの児童の会話などが聞こえ、不快な気持ちになったというものです。

その後、加害児童とその保護者から被害児童に対して謝罪が行われたものの…

【上越市 早川義裕 教育長】
「からかいや冷やかしについても児童の様子を見て判断するようにと考えているが、当時の判断は一過性のトラブルと判断した」

学校はこの事態を教育委員会に報告せず、担任もトラブルは解決済みとして、いじめに関連する資料を廃棄。児童たちの進学先の中学校への引き継ぎも行われませんでした。

その後、被害児童は進学した中学校で不登校に。

被害児童と保護者からの相談を受け、去年6月に市の教育委員会が小学校に当時の状況の報告を求めたことで、初めていじめとして認知されたということです。

【委員】
「小学校でいじめられた正確な情報が中学校に伝わっていない、これは大事な問題」

【委員】
「1人の教員任せにしないで、もちろん今回も管理職の先生方も関わっていたことと思うが、そういったまずは一過性のトラブルではなくて、一面として認識できる、そういった基準やマニュアルが必要なのではないか」

【上越市 早川義裕 教育長】
「初動が大切。実態を含めて検証していく」

こう話す一方で、教育委員会はいじめの重大事態の要件に相当する期間、学校に登校できていないにもかかわらず重大事態と認定しておらず、第三者委員会による調査も行っていません。