日商保が中心となり、賛同企業らとともに「敷金」により企業を支援する「敷金で福岡グロースプロジェクト」を発足した。
同プロジェクトは、日商保が提供する敷金無料の「敷金フリーオフィス」による企業の成長支援と、空室率改善によるオフィス流動化や物件価値向上への注力で、「アジアのリーダー都市」を目指す福岡市への企業誘致を後押しし、福岡経済のさらなる活性化を目指している。
日商保が着目しているのが、オフィス入居時に預けることが商慣習となっている「敷金」という。首都圏では賃貸契約時に賃料の半年~12ヶ月分が必要な「オフィス敷金」。例として20名規模のオフィスであれば敷金は約800万円にものぼり、入居企業にとって大きな負担となってる。さらに福岡市全体では、推計約1,000億円ものオフィス敷金が預託されていることが、日商保の試算で分かっている。
同プロジェクトでは、「敷金フリーオフィス」の拡大で、預託するはずだった敷金を入居企業が優秀な人材の採用費用や、事業のさらなる成長に向けたマーケティング費用、新規事業への投資資金等に活用することで、福岡市の企業価値向上を加速させることを目的としている。
2022年5月27日(金)~ 6月2日(木)の期間、従業員規模300人未満で、資本金が3億円未満の賃貸オフィスビルに入居する全国の中小企業・スタートアップ経営者1,000人を対象に、「コロナ禍でのオフィス利用と企業経営に関する調査」を行った。
結果、敷金の平均額は455万円で、中には2億円も支払っている企業がいることがわかった。経営者の64.6%が「敷金は高い」と感じつつ、49.6%が「取られて当然」という考えを持っている。また、原状回復費用や償却分以外は返却される敷金だが、返ってこないものだと考えている人が38% にのぼった。
また敷金について、資金調達を行なった経営者の45.6%が「そのお金があれば成長できていたと思う」と回答した。反対に、自己資金で事業を行なっている経営者では31.0%と、資金調達を行った経営者のほうが、敷金を本来なら事業成長に活かせる資金だと捉えている。
さらに資金調達を行なった経営者の39.3%が「そのお金があれば社員をもっと雇用していたと思う」と回答、さらに42.7%が「敷金が原因で成長資金をセーブした」と回答した。