職員が経験した“約15分間の恐怖” 刃物を持った男が窓口へ… 役所を狙った暴力から職員を守る

7月16日に愛知県の高浜市役所で起きた、男が刃物を振り回し火をつけた事件。ことし5月には愛知県東浦町でも、職員が同じような危険にさらされていました。こうした行政機関の職員への暴力に、どう対応すればいいのでしょうか。
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7月16日に高浜市役所では、1階で男が刃物を振り回して火をつけ、職員3人がけがをしました。男は火をつける直前に職員を脅した後、ペットボトルに入った灯油のような液体を撒き、イスを振り回すなどして暴れたうえ、液体を自分の体にかけてライターを使い火をつけたということです。男は市と納税の額をめぐりトラブルになっていました。
こうした一方的な不満や恨みから、行政職員が狙われるケースは他にも。
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ことし5月、東浦町役場の相談窓口を外国人の男が訪れました。午前8時半頃にやってきた外国人の男は、役場1階の相談窓口付近をうろついた上、窓口の1つで隠し持っていた包丁を取り出し、何事か大声で叫んでいたといいます。
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(東浦町職員)「何を言っているか分からないくらい、かなり興奮状態だった」「すごくびっくりして、何も声が出せなかった」そうした状況が約5分間続いた後、らちが明かないと諦めたのか、男は庁舎の外に出ていきました。
そのまま現場を去ると思いきや、男は自分の車に乗り込み猛スピードで再び庁舎の玄関前に。そして、車から降りると再び刃物を出して大声をあげていました。
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(総務部 総務課 山本圭一さん)「その後(車に)乗り込んで、そのまま信号無視して走っていった」幸いけが人はいませんでしたが、約15分にわたり恐怖体験を余儀なくされた職員たちの当時の対応は…。
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(総務部 総務課 山本圭一さん)「これが非常通報ボタンで庁舎内各所に設置している。押すと警察に直接つながって駆け付けてくれる装置。今回の事件でも押された」この時も実際に警察官が駆け付け、暴れていた男は自宅に戻った後に逮捕されました。
東浦町は事件後、新たな対策を始めました。(総務部 総務課 山本圭一さん)「これが事件後に購入した刺股(さすまた)」この刺股の使い方を見せてもらうと…。
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足首付近をワイヤーでロックするタイプで、脚の動きを封じた後は強く引っ張れば相手を転ばせられる仕組み。
このほか、事件後に防護盾や催涙スプレーも導入していますが、行政への暴力は事件になるとは限らない現状があります。
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(総務部 総務課 山本圭一さん)「刃物を出すというのは、ほとんどないが。大声を出したり机を叩いたりする来客はたまにいる。防犯グッズの充実や職員の“常に備える”という意識を大切にしたい」