加齢によるリスクが高い人ほど、外出機会や意欲が低下 – 知人と1カ月以上会わない人も

ソフトバンクは3月9日、「シニア世代の健康に関する調査」の結果を発表した。調査は2月25日~26日、全国の60歳~79歳のシニア1,000名を対象に、ウェブ定量調査にて行われた。

はじめに、身体的・精神的・社会的の3つの面を評価する11項目の質問からなる「イレブンチェック」を実施した。

その結果、「フレイルリスクが低い」(マイナス回答が0~3個で健康)人が最も多く42.2%。しかしながら、「フレイルリスクが高い状態」(マイナス回答が6~11個)の人が31.7%、「中程度のリスクを抱えている状態」(マイナス回答が4~5個)の人が26.1%と、6割近くのシニアがフレイルリスクが比較的高い傾向に。性年代別にみると、特に60代の男性が高かった。

次に、「日常的な楽しみと思うもの」を教えてもらったところ、フレイルリスクの高いシニアのうち約16.4%が「特にない」と回答。フレイルリスクが低い(マイナス回答が0~3個の健康な)シニアは2.8%と低く、両者を比べると、5倍ほどの差が出ていることが明らかに。

また、フレイルリスクの低いシニアの共通点として、「友人と会話」(フレイルリスク高23.3%、フレイルリスク低45.3%)などのコミュニケーション機会や、「スポーツ」(同9.5%、32.5%)、「食品日用品以外の買い物」(同23.7%、42.4%)といった外出機会を、フレイルリスクの高いシニアよりも多く『日常的な楽しみ』として捉えている傾向に。さらに、フレイルリスクの低いシニアの3人に1人が「週に3回以上家族以外の知人と会っている」のに対し、フレイルリスクが高いシニアの約半数(48.9%)が、家族以外の知人と1カ月以上も会わない生活を送っていることがわかった。

続いて、「外出」の状況について質問したところ、フレイルリスクの高いシニアは「用事が無くても外出するのが日課」が9.8%(フレイルリスク低38.6%)、「おしゃれして出かけるのが楽しい」が5.4%(同23.9%)、「積極的に用事を作って出かけている」が11.4%(同36.0%)など、外出機会が圧倒的に少なく、「外出するのが億劫で、必要最低限しか出かけない」は29.7%(同3.8%)、「身なりを整える外出は面倒」が24.9%(同8.3%)など、外出に対してのモチベーションも格段と低くなっていることが明らかに。

また、「最近の気分として感じているもの」を聞くと、フレイルリスクの低いシニアの約半数が「やることがたくさんあって充実している」(47.4%)一方、フレイルリスクの高いシニアの3人に1人が「億劫だったり面倒くさいと感じることが多い」(34.7%)、「気力がわかない」(27.1%)という結果となった。

次に、新型コロナウイルスが「5類に分類されたあとにやりたいこと」を教えてもらったところ、フレイルリスクの高低に関わらず、「国内旅行」(フレイルリスク高49.5%、フレイルリスク低61.4%)についてはどちらも半数近くが意欲を示す結果に。

フレイルリスクが低いシニアは、ほかにも「友人や家族との食事会」(44.3%)や「コンサートや美術館に行く」(33.6%)ことにも高い意欲を示している傾向にあるが、一方で、フレイルリスクの高いシニアの3人に1人以上がアフターコロナが近づきつつある中「特にない・やりたいことがわからない」(37.2%)と回答した。