当時小学生の2人に、88万円の賠償 判決に「気分が悪い」「高齢者を優先?」

休み時間や放課後に遊んだり、体育の授業で運動したりと、子供たちにとってさまざまな活動の場となっている、学校のグラウンド。
多くの人たちにとって、懐かしい思い出の場所でしょう。
しかし、2019年11月、楽しい場所であるはずのグラウンドで痛ましい事故が発生しました。
サンケイスポーツによると、滋賀県草津市立の小学校のグラウンドで、集団下校の指導を受けていた当時小学6年生の児童2人が、グラウンドゴルフ愛好会に参加するため、グラウンドに来ていた80代の女性とぶつかり、女性は転倒して太ももの骨を折る事故が発生したとのこと。
女性は、児童2人と草津市に対し、約725万円の損害賠償を求め、2024年7月25日に大津地方裁判所(以下、大津地裁)が児童2人に約88万円の賠償を命じ、話題となりました。
なお実業家の、ひろゆきさんが今回の件についてXで「小学生がグラウンドを走るのは当たり前。子供が校庭を自由に走り回ることより、高齢者を優先するのか」とコメントしたこともあり、さらに波紋が広がった模様。
大津地裁の判決に対して、ネット上では賛否の声が巻き起こっています。
・学校のグラウンドなんだから、子供が追いかけっこするのは当たり前。
・子供に公園であれもこれも禁止して、校庭でさえ高齢者を優先?気分が悪い。
・子供はトラウマになるだろうな。誰のための学校なの?
・みんなの意見も分かるけど、子供に責任がないとしたら、女性は泣き寝入りするしかないの?
・年配女性が批判されている意味が分からない。最悪歩けなくなるケガなのだから判決は妥当でしょ。
・走ってもいいけど、周りには気を付けて遊んでほしい。
また、「グラウンドを管理していた大人の責任だろ」といった意見や「子供の注意不足による事故だけど、高齢女性も子供がいなくなるまで待てなかったのかな…。どちらも擁護したいけど、どちらも注意したい」といった声もありました。
日本は法治国家なので、当事者は裁判所の判決に従う義務があります。
しかし今回、議論が巻き起こったのは、『大人の都合』により、公園に設置されている遊具が撤去されたり、ボール遊びが禁止されたりするケースが増加し、子供たちの『居場所』が少なくなっていることも背景にあるのかもしれません。
とはいえ、今回の事故はあくまで児童2人と高齢女性による個人間の問題なので、上記の事例と絡めすぎても、複雑化してしまう恐れがあります。
今回のような事故を防ぐためにも、大人と子供の両者の意見を聞き、地域全体で協力して取り組むことが必要でしょう。
[文・構成/grape編集部]