親子3世代で営む新潟県長岡市の食堂。ジューシーなカツ丼の裏には家族の絆がありました。
長岡市に店を構えて半世紀以上の「味処まつや」。
佐藤稔さん夫婦が初代の父・信次さんの味を引き継ぎ、店を切り盛りしています。
【長谷川珠子アナウンサー】
「店内は畳の座敷もあって、非常に落ち着く空間。メニューを見ると、ラーメン600円にカレーライス700円と、ほとんどのメニューが1000円以内で食べられる良心的な価格となっています」
【味処まつや 佐藤稔さん】
「ラーメンとセットもので、1000円以内でお客様に食べもらえるように。なるべくお客様の気持ちになって、できるだけ安い値段でやっている」
安くておいしいメニューが豊富なまつやですが、その中でもおすすめだというのが、厚切りのとんかつを卵でとじた「カツ丼」です。
創業当時からのメニューで多い日だと60食の注文が入るといいます。
国産の豚ロースを粗めのパン粉でカラッと揚げそこにダシをいれますが…
【味処まつや 佐藤稔さん】
「カツ丼のつゆはそばつゆで、親父から引き継いだものをブレンドしている」
実は佐藤さんの父・信次さんは…
【佐藤さんの父・信次さん】
「東京で修行をしていた目黒区の日本蕎麦屋にいて、6年か7年」
カツ丼のダシは信次さんが創業当時から継ぎ足しているそばつゆをベースにあまじょっぱく仕上げています。
【味処まつや 佐藤稔さん】
「サバ節と宗田節がたくさん入っているので、ダシのきいたそばつゆになっている」
最後に卵でとじれば完成!父のそばつゆがカツ丼の隠し味となって、息子の代まで引き継がれています。
【長谷川珠子アナウンサー】
「衣にしっかりとダシが染み込んでいて、噛むとじゅわ口の中で広がる。優しいダシがカツ丼を包み込んでくれていてすごくおいしいです」
そして、親子で作り上げた味は娘のあずささんが受け継いでいます。
【佐藤さんの娘・あずささん】
「家族でやっているところが味でもあるのかなと思うので、和やかな雰囲気も大事にしながら、まつやをつくれたらいいと思う」
【味処まつや 佐藤稔さん】
「これからも力を合わせてやっていきたいと思う」
地域の胃袋を支えるまつやのカツ丼の味は親子3世代で守っています。