東京ディズニーランド(TDL、浦安市)で開園以来親しまれてきた人気アトラクション「スペース・マウンテン」が31日、営業終了日を迎えた。開園と同時に多くの来園者が搭乗し「寂しい」「思い出がたくさんあり、涙が出た」と別れを惜しんだ。2027年に新たなスペース・マウンテンとして生まれ変わる予定。
スペース・マウンテンは「銀河系や流星群の間をハイスピードで駆け抜ける宇宙旅行」がテーマの屋内ジェットコースター。爽快な搭乗体験が特徴で、1983年4月の開園以来、多くの来園者に親しまれてきた。2007年には、ロケットやアトラクション内部のデザインを変更するリニューアルを実施。運営するオリエンタルランド(OLC)によると、累計走行距離は、地球と月の間の29往復分に相当する約2256万キロに達した。
最終搭乗日の31日は、現在のスペース・マウンテンとの最後の一日を楽しもうと、厳しい暑さにもかかわらず、多くの来園者が訪れた。アトラクション周辺では、従業員が感謝の気持ちを込めて来園者を出迎え。来園者との写真撮影などにも応じていた。
ファン歴20年以上という麻生雅樹さん(27)=千葉市花見川区=は「昔から大好きなアトラクション。たくさんの思い出があったので、今日は出発した瞬間に涙が出た。目に焼き付けて忘れないようにしたい」と感慨深げだった。近藤華凛さん(13)は、スペース・マウンテン目当てに家族や友人と北海道から来園。「しばらく乗れないのは寂しいけど、新たなスペース・マウンテンが楽しみ」と期待を寄せた。
07年のリニューアル当時、アトラクションのデザインを担当した同社の西尾智憲さんは「われわれにとっても多くの思い出が詰まったアトラクション。これだけたくさんの方に楽しんでもらえて感謝」と振り返った。
今後のリニューアルでは屋内ジェットコースターの大枠は引き継ぎながら、施設を建て直して光や音による新たな特殊効果を加え、抜本的に魅力を向上させる。投資額は約560億円の予定。アトラクションがあるエリア「トゥモローランド」を象徴するような広場も造る。新スペース・マウンテン開発担当の小西航平さんは「これまでと変わらず東京ディズニーランドを象徴するようなアトラクションになる。新要素も加わるので、楽しみに待っていてほしい」と呼びかけている。
同社公式ホームページでは9月まで、スペース・マウンテンに乗っているような気分を味わえる特別動画も公開している。