今年は“水不足”大丈夫!?去年“貯水率0%”のダムは水量十分も異常気象に警戒「洪水・渇水へ準備を」

記録的な猛暑と水不足の影響で去年、貯水率が0%となった新潟県五泉市の早出川ダム。梅雨が明け本格的な夏が訪れる中、今年のダムの現状を取材しました。

去年8月、水位が大きく下がり、ダムに貯まっている水が茶色く濁っていたのは、五泉市にある早出川ダムです。

【新津地域整備部ダム管理課 横山弘幸 課長】
「平成6年以来の渇水ということで、(ダム管理して)長い人もいるが、ここまでになるのはかなり珍しい」

治水や水力発電・農業用水の3つの役割を持つ早出川ダムですが、記録的な猛暑に加え、雨が全く降らなかったことで去年、貯水率が0%に。

発電は1カ月半以上できず、水田の一部では稲が枯れるなどの被害も確認されたというこです。

【新津地域整備部ダム管理課 横山弘幸 課長】
「もう、すぐにでも雨降ってもらいたい。いつも天気の気象庁の画面をずっと見ている」

ダム関係者や農家などを悩ませた渇水被害から1年…

【記者リポート】
「去年、雨不足により水が全くなかった早出川ダムですが、今年は水量も十分あるということでダムの中の水もまったく濁っていません」

水量が一定以上ある今年と去年の映像を比べると、水位や水の濁りなど全く違うことが分かります。

8月6日、現在の早出川ダムの貯水率は89.7%で、例年よりやや高い数値となっていました。

【新津地域整備部 五十嵐正己 副部長】
「今のところ、発電も予定通り運用している。雨に関しては我々がコントロールしているわけではないのでなんとも言えない。絶対ということはないが、昨年ほどひどい状況にはならないと考えている」

早出川ダム周辺では8月に入ってから雨は降っていませんが、7月末に大雨が降ったことから、8月6日現在で1秒間に約2トンの水がダムに流れ込んでいます。

現在はこのダムに流れ込む水と同量の水を排水し、発電や農業用水として活用していますが、県は近年続く異常気象への警戒を続けていく考えです。

【新津地域整備部 五十嵐正己 副部長】
「急に洪水になるような豪雨もあれば、渇水になるようなこともある。昨今そういったことが非常にどこで起きてもおかしくないので、我々としては洪水になったときの対策の手順だとか準備、それから渇水になったときの手順や準備をいま一度振り返って見直していく」

県によりますと、県内には農業用ダムが23カ所ありますが、6日時点でその貯水率が心配されるダムはないということです。

ただ、今後も猛暑が予想されることから、引き続き、農作物の管理には注意が必要です。