日韓関係改善で北朝鮮の暴走が激化する恐れ 核実験もあり得るか

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韓国の朴振外相は3月はじめ、日本側が強い不満を抱いていた元徴用工の訴訟問題で、韓国最高裁が下した日本企業による被害者への賠償について、今後韓国の財団が代わりに支払うという打開策を示した。
この決断について韓国国内ではすこぶる批判の声が拡がっているが、ユン政権はそれを覚悟の上で日本との関係改善に大きく踏み出した。
今回の決断の背景には様々な事情があろうが、1つに前政権が日本や米国と上手い関係を築けず、世界ではならず者国家と頻繁に揶揄される北朝鮮のご機嫌を取る姿勢を堅持してきたことから、このままでは韓国の国際的な立場が危うくなるとの危機感もあったのだろう。
ユン大統領は日本や米国だけでなく、欧州との関係も強化する姿勢を示し、中国には接近しすぎるなとの立場を取っている。
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一方、ユン大統領が米軍との軍事演習を相次いで行い始めたことで、今後北朝鮮による暴走がエスカレートする恐れがある。
米韓両軍は最近でも2月下旬、北朝鮮による核兵器使用を想定した合同の机上演習「拡大抑止手段運営演習(TTX)」を米国で実施し、3月13日から23日にかけても大規模な合同軍事演習を行う方向で調整している。
今日、北朝鮮は孤立している。中国も全面的に北朝鮮をサポートする立場ではない。北朝鮮は最近も太平洋を射撃場にする、米軍が北朝鮮のミサイルを撃墜したら明白な宣戦布告だなどと発言するなど、過激な辞さない構えだ。
韓国軍によると、今日北朝鮮はいつでも核実験ができる体制にあるとされ、今年は本気で核実験を強行する恐れもある。十分な警戒が必要だ。
(取材・文/セレソン 田中)